10月23日 SF作家マイケル・クライトン誕生(1942年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1942年の今日、『ジュラシック・パーク』の原作者であるSF作家マイケル・クライトン(Michael Crichton、1942-2008)が誕生しました。

 

シカゴに生まれたクライトンは、ハーバード大学に通って英文学、自然人類学、医学などを専攻しました。クライトンの初期の作品としては『緊急の場合は』が有名で、当時アメリカで非合法であった妊娠中絶を題材としています。この作品以降、彼の小説は科学技術を主題に据えるようになりました。

アポロ11号が月に降り立った1969年には、宇宙からの病原菌をテーマとする小説『アンドロメダ病原菌』がベストセラーとなりました。1970年代は、月への着陸によって科学技術の進歩への情熱がひと段落し、入れ替わるように未知の存在と過度な技術開発への不安が高まった時代でした。クライトンの作品は、テクノロジーへの期待と不安という相反する感情をうまくとらえたものだと言えます。

映画化もされたクライトンの代表作『ジュラシック・パーク』も、やはりテクノロジーを主題とした作品でした。バイオテクノロジー技術によって現代に蘇った恐竜が人間の手に負えない存在となるというストーリーは、生命倫理を軽んじ、生命を生み出すという神の領域を犯す人類に対して警鐘を鳴らしているとも考えられます。

愛犬の体細胞から製作されたクローンペットが中国で人気を博すなど、クローン技術は年々進歩を続け、なし崩し的に我々の生活へと関わってきました。一方で、生命倫理を踏まえたクローン技術の是非を問う議論はほとんどなされていないままです。

我々は、科学技術の進歩を称揚するだけでなく、倫理面からその是非を問い直す局面に立っているのではないでしょうか。

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