パリ在住の芥川賞作家・辻仁成さんが主宰するWebマガジン「design stories」。2020年11月、同サイトをプラットフォームに、新しい「学び」のプロジェクト、「地球カレッジ」が開講される。
世界各国で活躍するゲストを毎回招き、それぞれの専門分野をベースに、学問や趣味、哲学に至るまで、あらゆる話題を辻さんとセッション。チャットで受け付けた参加者からの声も交え、人生百年時代の新たな好奇心の旅への扉を開こうとするのが「地球カレッジ」のコンセプトだ。
辻さん自身、パリを中心にさまざまな国を訪れていたなか、突然のロックダウンで封じ込められる経験をした。いま、辻さんが世界の状況をどのように感じ、オンラインセッションの開講に至ったのか、特別寄稿していただいた。
講師は辻さんをはじめ、歌人の俵万智さん、パリ在住の元アナウンサー中村江里子さんなどが参加/design storiesより

終わらない好奇心の旅がある

人生百年の時代なのだという。

定年後も30年、40年と人生は続く。けれども「いったいその先、何をやって生きたらいいというのだ、この長い人生」と思わずため息がこぼれてしまう。ぼんやりと生きるだけじゃ、退屈過ぎるこの世界。何か面白いことを見つけ出したい。

コロナ禍でロックダウンを経験した直後、パリの市民が労働を喜んでいる姿を目撃し、やっぱ人間は何かやってないと輝けないんだ、と思った。

終わりのない好奇心の旅がある。ぼくらはいくつになっても学ぶこと、幸せになること、喜ぶこと、探求すること、感動することが出来る。

世界中を自由に移動が出来なくなった今、自分の精神や魂だけでも旅立たせたい。たまたま、ぼくはパリで生きている。パリと日本をそして世界を繋ぎたい。世界中にいる仲間たちに声をかけ、これまで培っていた経験をオンラインで共有出来ないか、と持ち掛けた。

美術館、ワイン、チーズ、デザイン、建築、文章、食、文化、旅などのスペシャリストが集結した。地球各地で活躍する講師陣を媒介にし、パリのぼくと皆さんとをつなぐ新しい学び舎が生まれた。人生は一生、問いかけては答える、の連続である。地球カレッジ、始まります。