「私は夢の先まで行く、日が昇る場所まで。私の唇を見ればわかるはず、助けなんていらない、休むことも止めることもしない。いい生徒でも悪い生徒でも、私たちは皆同じ」(シェルター提供)

絶望した若者たちは「家出」する…フランスの「ここにいたい」と思える場所

「シェルター」はこんな感じです

家出する若者たち

家出少女がSNSで出会った見知らぬ男性宅にいた、というニュースや親子間トラブルによる事件が続いている。

10月15日にも、10代の少女が5カ月間ぶりに発見されSNSで知り合ったという27歳の男性が未成年者誘拐の疑いで逮捕された。容疑は、少女に家出願望があると知って「声を早く聞きたい」などと誘い、自宅に住まわせた疑いであるという。

〔PHOTO〕iStock

未成年が助けを求めたくても、行きたいと思える安全な宿泊場所がなく、児童相談所や警察も家出の対応に積極的ではないという現状が問題であるようだ。

特殊な環境にいる特別な子どもに起きているわけではない。家出のきっかけは日常的な出来事だったりする。現在大人である私たちも10代に「家に帰りたくない、でも泊まる場所もない」と思うような経験をしている人はある程度いるのではないだろうか。

 

実際家出を経験した人を見聞きしたこともあったと思う。今はもっと簡単に家出の方法を提案してくれるツールがあり、実際に行動に移してしまう子どもがいる。そしてその先には危険が待っている。

「家出する子どもが悪い」と切り捨てるのではなく、安全な家出先を用意することができないだろうか。家出の原因となった不具合を修正するチャンスにすることができるのではないか。

筆者はパリ郊外で2016年より児童福祉関連の施設の調査をしているが、そこで「シェルター」経由で施設に来たという若者たちに会った。

施設に来て数年経っていてもシェルターに通って話を聞いてもらっていて、シェルターの職員たちを「助けてくれた人」と呼び慕っていることに興味を引かれた。