Photo by iStock
# 自己啓発

100万人もの「餓死」はなぜ起きたか?「ジャガイモ」に起きた悲劇から学べること

オオバコ、カタバミ、スズメノテッポウ……。踏まれやすい道端や、いつ草刈りされるかわからない空き地など、過酷な場所をあえて選んで生きる「雑草」。植物学者、稲垣栄洋氏の『「雑草」という戦略』は、そんな雑草の生存戦略からビジネスパーソンが学ぶべきことを解説する、今までにない切り口のビジネス書だ。今回は、いくら踏まれても負けない強さを支える、雑草の「多様性」について学ぶ。

雑草は「個性あふれる集団」

変化する環境に生きる雑草にとって、重要なキーワードは多様性である。

Photo by iStock

多様な戦略があり、それを支える多様なオプションがあり、そして、それを支える多様な集団がある。

雑草の集団はバラバラである。それが強さの源泉なのである。

雑草の変化する仕組みには、環境によって変化することができる「表現的可塑性」と、もともとの生まれつきの性質がバラバラであるという「遺伝的多様性」とがある。ここでは「遺伝的多様性」に注目してみよう。

遺伝的にばらつきがある集団は、擬人化した言い方をすれば「個性ある集団」ということになる。雑草にとって、「個性」とはいったい、何なのだろうか。

多様性のある雑草とは逆に、多様性のない特異的な植物の集団がある。それが、人間の栽培する農作物である。

 

農作物は人間が作り出したエリートの植物である。たとえば、コシヒカリの種子を播いたはずなのに、米粒によって味がバラバラでは困る。稲穂が実る時期がバラバラでも収穫できない。そのため、農作物は、均一になるように選抜されている。文字どおり粒ぞろいの集団なのだ。

そこに求められるのは、多様性ではない。均一性である。