トランプは本当に「劣勢」なのか…「ペンスvsハリス討論会」勝敗の真意

米憲政史上3回目の「決選投票」が迫る
歳川 隆雄 プロフィール

米憲政史上初めてと言われるほどの激戦

もちろん、第1回討論会でのトランプ氏の大統領らしからぬ態度に嫌悪感を抱いた有権者は多く、現状ではバイデン氏優勢の情勢に変わりはない。しかし、トランプ氏が自らのコロナウイルス感染の入院・退院を克服し、再び大統領として経済活動再開の先頭に立てば、コロナによる閉塞感を抱く普通の国民に明るい材料を提供した上で希望を抱かせることになる。

それにしても、米憲政史上初めてと言われるほどの激戦となった今大統領選の行方である。最大の焦点はウィスコンシン(WI)、ミシガン(MI)、ペンシルベニア(PA)、アリゾナ(AZ)、フロリダ(FL)、ノースカロライナ(NC)の接戦6州の見通しだ。外務省分析によると、WIとMIはバイデン氏優勢、FLとNCがトランプ氏優勢で、問題はPAとAZの読みが難しいことである。だが、AZは頭ひとつバイデンが先行しているという。

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激戦州以外の現時点での獲得選挙人予想はトランプ氏が205票、バイデン氏232票である。そして激戦6州の選挙人は101票。ところが、トランプ氏がPA(20票)を制するとトータル269票、バイデン氏も269票の同数となり、共に過半数に届かない。

米憲政史上、1800年と1824年(!)に続く3回目の決選投票(Contingent Election)になるのだ。大統領は下院が決め(州ごとに1票)、副大統領は上院が決める(議員毎に1票)。米下院多数派は民主党であるが、カリフォルニア州(選挙人55票)もワイオミング州(同3票)も同じ1票である。前代未聞の米大統領選が今、行われているのだ。