トランプは本当に「劣勢」なのか…「ペンスvsハリス討論会」勝敗の真意

米憲政史上3回目の「決選投票」が迫る
歳川 隆雄 プロフィール

サンプル数が日本と比べても極めて少ない

知るべきはCNNの世論調査方法である。我が国メディアのそれは無作為で選んだ有権者に電話で用意した質問の回答を求める(無機質な自動音声の質問もある)。だが、CNNは自社の視聴者を対象とした調査であり、しかもサンプル数が日本と比べても極めて少ないのだ。

そして肝心なことは、リベラル系CNNを日常的に観る有権者の殆どが高学歴の中産階級層であり、敢えて言えば、民主党支持者が多いということである。従って、大統領選の共和、民主党の大統領候補と副大統領候補によるテレビ討論会の「勝ち負け」を尋ねれば民主党候補に肩入れする回答になる傾向は否めない。要は、バイアスが掛かっているのだ。

 

では、件のペンスvsハリスの討論会はどうだったのか。結論を先に言えば、ペンス氏がやや優勢にディベートを終えたということであろう(因みに、両氏が話した時間はペンス氏36分27秒、ハリス氏36分24秒である)。

2つだけ具体例を挙げる。ハリス氏がトランプ政権の対中強硬策を批判すると、ペンス氏は「バイデン氏は中国共産党のチアリーダーだ」と反論し、多くのテレビ視聴者の耳に残ったこと。もう1つは、ペンス氏はバイデン氏の増税政策を批判する中で、増税による景気減速不安を効果的に煽り、ハリス氏が低中所得層は増税されないと反論するや、賺さずトランプ減税を廃止すること自体が中間層への増税となると指摘したことである。