インドネシアの黒歴史「薔薇チーム」元隊員抜擢人事に非難噴出の背景

次期大統領候補の国防相に人権弾圧疑惑
大塚 智彦 プロフィール

当時の特殊部隊司令官が現国防相

事件当時、特殊部隊の司令官を務めていたスハルト大統領の女婿プラボウォ中将も軍籍をはく奪され、中東で約3年間ビジネスに関わりながら事実上の亡命生活を送り、インドネシアの表舞台から一時的に消えた。

ところがプラボウォ氏は2004年ごろに帰国して政治活動を開始。2004年の大統領選に「闘争民主党(PDIP)」のメガワティ・スカルノプトリ党首の副大統領候補として出馬した。

インドネシア建国の父であるスカルノ初代大統領の実娘であるメガワティ党首と、2代目のスハルト大統領の女婿プラボウォ氏という「歴代大統領の身内同士による正副大統領候補」という異色の大統領選となった。

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選挙では敗北するも、その後「強い指導者」をアピールして党首を務める「グリンドラ党」は次第に議席を増やし、国会でキャスティング・ボードを握るようになった。そして2014年、2019年の大統領選に出馬するも、現在のジョコ・ウィドド大統領に連敗した。

しかし、2019年10月のジョコ・ウィドド大統領2期目の政権では国防相として迎えられ、与党に鞍替えして、2024年の次期大統領選には3選禁止規定でジョコ・ウィドド大統領が出馬できないことから、有力候補の1人と目されている。

そのプラボウォ国防相は1998年当時の特殊部隊隊員による人権侵害事件について、「命令でテロ容疑者を拘束しただけである」と開き直る発言を繰り返している。