トヨタ博物館の企画展「30年前の未来のクルマ」
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トヨタ、蔵出しのお宝「30年前の未来のクルマ」を実名公開する

当時のエンジニアたちが見た夢
トヨタ博物館(愛知県長久手市)の企画展「30年前の未来のクルマ」は、カーマニアにはたまらない展示内容だ。そこに並ぶクルマの数々は「約30年前、トヨタが夢見た未来を一堂に」(トヨタ博物館のホームページより)集めたもの。東京モーターショーで展示されたコンセプトカーをはじめ、実際に商品化されたクルマを紹介している。

現在は、つまり「30年前の未来」。蔵出しされたコンセプトカーなどを振り返ることで、新たな未来を考えるきっかけにしたのだという。

残念ながら会期は10月11日まで。そこで、10日発売『ベストカー』(11月10号)では、企画展をリポートするとともに、お宝のクルマたちを解説付きで掲載している。写真とリポートはカメラマン兼ライターの西尾タクト氏、車両解説は自動車ライターの永田恵一氏。誌面を通じて、エンジニアたちの未来への思いをともに味わいたい。

世界のクルマ史がわかる『トヨタ博物館』

先日、愛知県で撮影があった“ついで”にブラリと『トヨタ博物館』(愛知県長久手市)へ寄ってきたのだが、いろいろな驚きや発見があったのでレポートしてみたい。

まず、トヨタ博物館という名前を聞いて読者諸兄にお伝えしたいことは、「ここはトヨタが運営しているが、トヨタのショールームではない」ということ。当日、館内を案内してくださった学芸スタッフの平田さんは本当にクルマと機械が大好きな方で、冒頭で私にそう語ったのである。

 

パリのルーヴル美術館ならば「サモトラケのニケ像」があるメインエントランスには、「トヨダAA型」の復刻車が置いてあり、トヨタの歴史を彷彿とさせる。が、先の言葉どおり、2階展示コーナーから「世界のクルマ史」ともいうべき、数々の文化的価値の高いものが続く。

例えば、18世紀に蒸気自動車が発明され、19世紀に実用化されたことは有名だが、同時代の1899年には米国でEVの「ベイカー・エレクトリック」があったことをご存じだっただろうか。このEV、1psのモーターで40km/hでの走行が可能だった。

「貴族のための乗り物である豪華馬車が発展し、『ロールスロイス 40/50シルバーゴースト』のように豪華さを競うなか、爆発的ヒットを遂げてクルマの歴史を庶民のものに変えたのが『フォードモデルT』なんです」と平田さん。ようやく聞いたことがある名にこちらも興奮する。

さらに、「リーフサスの簡略化」、「ヘッドライトがガス灯から電気へ」、「クランクスターターが廃止につながった哀しい事故の話」と、クルマ好きなら聞き逃せない興味深い解説が続いていく。