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東証取引停止は氷山の一角、デジタル依存社会はここまで危険だ

あまりに多い放置されたリスク

やみくもなデジタル化は危険だ

9月16日に菅内閣が誕生してから、政府・行政は「デジタル化」を急ピッチで進めようとしている。

もちろん私も、行政のあまりにもお粗末なデジタル対応は不便なだけではなく、結果として国民の血税を無駄な作業に費やすことになると考える。

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しかし、10月6日の記事「『ナントカペイ』は、やはり消えていく…キャッシュレス淘汰時代が幕開けた」で述べたように、「派手なキャンペーン」は、「商品そのものの魅力がない」ことの証明でもあり、政府の政策も例外では無い。

10月9日の記事「あなたがあなたであることをどのように証明するか?」や、9月29日の記事「『あなたの口座は世界中の犯罪者に狙われている』あまりに残酷な現実」で述べたように、預金口座開設、(住宅)ローン借り入れを始めとする各種取引や日常生活の中で「あなたがあなたであることの証明」は、戸籍(住民登録)、マイナンバー、運転免許証、パスポートなどの行政が管理する資料(データ)によって行われる。

この基本的なデータをデジタルだけで管理すると「簡単にコピーできることが最大の長所」のデジタルの「最大の短所が、簡単にコピーできること」であることが分かる。

例えば「個人情報保護法」が制定され個人に関する情報の管理が厳しく統制されるようになったのは、プライバシー意識の高まりもあるが、それ以上に個人情報がデジタル化され危険性が増加したからである。

例えば、社員名簿が印刷どころか手書きのものであった時代に、個人情報を盗むためにはオフィスなどに忍び込んで「現物」を盗み出すしかなかったから、簡単ではなかった。また、万が一盗まれたとしても数十件、数百件単位の話であった。

しかし、デジタルデータの場合は、世界中のどこであっても、ネット接続環境があれば盗み出すことは可能であり、後述するように被害が数億件に上ることもある。しかも、ID・パスワードなどもセットで簡単に奪うことができる場合がある。

 

米国の社会保障番号については、これまでも安全上の大きな懸念が示されている。2017年には、米信用情報会社エキファックスへの大規模ハッキング攻撃により、1億4300万人のナンバーが個人情報とともに漏洩してしまった可能性があると報道された。

1億4300万人といえば、米国人口のおよそ半分である。