菅義偉首相[Photo by gettyimages]

常識外れの学術会議、有用な研究を潰し「学問の自由」を侵害していた…!

「デタラメな振る舞い」の先にある末路

暴露された学術会議の迷走ぶり

日本学術会議問題が興味深い展開になってきた。野党や左派系マスコミは政府を追及しているが、逆に、会議のデタラメぶりが露呈する一方なのだ。まさに「藪蛇」「ブーメラン」状態である。どうやら、会議の抜本的な組織改編は避けられそうにない。

日本学術会議の新会員問題を最初に報じたのは、日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」だった。10月1日付の「菅首相、学術会議人事に介入、推薦候補を任命せず」という記事で「学問の自由に介入する首相の姿勢が問われます」と首相を追及した(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-10-01/2020100101_01_1.html)。

任命を拒否した菅首相[Photo by gettyimages]
 

マスコミ各社が一斉に追随し、立憲民主党など野党は「菅政権のモリカケになるかも」と意気込んでいる。だが、そうはなりそうもない。それどころか、むしろ学術会議側のダメージが広がっている。たとえば、赤旗が指摘した肝心の「学問の自由」問題である。

日本学術会議が学問の自由を守るどころか、まったく逆に、学問の自由を侵害した例が暴露されてしまったのだ。それは、北海道大学の奈良林直名誉教授が10月5日、国家基本問題研究所への寄稿で明らかになった(https://jinf.jp/weekly/archives/32608)。

奈良林氏は「学術会議が力を入れているのが、『軍事研究の禁止』を旨とした防衛省関連研究の否定である」と指摘した。船の抵抗を減らす北大の研究を「軍事研究」と決めつけたうえで、学術会議の幹部が北大総長室に押しかけ、研究を止めさせた例を次のように暴露した。

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実例を一つ挙げる。北大は2016年度、防衛省の安全保障技術研究推進制度に応募し、微細な泡で船底を覆い船の航行の抵抗を減らすM教授(流体力学)の研究が採択された。この研究は自衛隊の艦艇のみならず、民間のタンカーや船舶の燃費が10%低減される画期的なものである。このような優れた研究を学術会議が「軍事研究」と決めつけ、2017年3月24日付の「軍事的安全保障研究に関する声明」で批判した。学術会議幹部は北大総長室に押しかけ、ついに2018年に研究を辞退させた。
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そのうえで、奈良林氏は「学術会議は、日本国民の生命と財産を守る防衛に異を唱え、特定の野党の主張や活動に与(くみ)して行動している。優秀な学者の学術集団でありながら、圧力団体として学問の自由を自ら否定している」と批判した。

日本学術会議が入る庁舎[ウィキメディア・コモンズ]
 

すると、同大の永田晴紀教授(宇宙航空システム)が翌6日、ツイッターで加勢した。「なるほど。そこまでやってたのか。本学の判断が急転直下した理由が理解出来た。僕も2018年度の公募に応募の準備を進めてたけど、申請書提出直前に北大が応募禁止を決めたので提案チームから抜けざるを得なくなった」と投稿した(https://twitter.com/nagataharunori/status/1313204562128379904)。

奈良林氏が指摘した「M教授の研究」について、永田氏は「確認したら、2017年度の公募だった。提出締め切りか5月末。並行してM教授の採択済みテーマの扱いが検討され、2017年度末をもって研究終了(研究費返上)が決まった。そこまでの研究成果の評価結果はA判定だったらしい」とも投稿している(https://twitter.com/nagataharunori/status/1313215357495119877)。

M教授の研究は、船の燃費改善に大きな効果があり、A判定を受けるほど評価も高かったのに、学術会議が圧力をかけて止めさせてしまった、という話である。燃費改善がいったい、どう軍事研究に結びつくのか。そんなことを言い出したら、自動車も作れなくなる。

インターネットやGPSの発明を持ち出すまでもなく、最新の科学技術と軍事研究が不即不離の関係にあるのは常識だ。にもかかわらず、学術会議は「防衛省の安全保障技術研究推進制度」に応募した研究というだけで、ピキピキ反応して、大学の総長室に押しかける暴挙に出た。その結果、M教授の研究が押しつぶされてしまった。

新しく日本学術会議会長に就任した梶田隆章氏[Photo by gettyimages]
 
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