東京都港区の愛宕神社が「出世のパワスポ」と言われるようになった、驚きのワケ

逸話を描く絵本を神田伯山が監修

東京・港区にある開運スポット「出世の石段」を知っていますか? 

東京23区内で自然の地形としてはいちばん高い、標高26メートルの愛宕山。その山頂にある愛宕神社を参詣するには、急坂を登らなければなりません。

正面には、一直線に上がる傾斜40度の急な石段「男坂」。その右手には緩やかなカーブを描く「女坂」。ここを訪れる人は、たいてい「男坂」を選びますが、それもそのはず、この石段は、登れば出世する「出世の石段」と呼ばれているのです。

「出世の石段」として知られる、愛宕神社の男坂

100年ぶりの大ブーム! 「講談」って何?

「出世の石段」のいわれは、講談『寛永三馬術』(かんえいさんばじゅつ)にあります。

講談とは、主に歴史上の出来事や人物などを題材にした話芸です。落語のように架空の人物を描くのではなく、実在の人物の実際にあったことがベースになっています。

 

江戸末期から明治にかけて講談は全盛期を迎えましたが、その後は、衰退の道をたどり、令和の今、講談師の数は、落語家の約10分の1。

神田伯山氏

そんな時に現れたのが、天才講談師、六代目・神田伯山。伯山の出現によって、講談は、今、100年ぶりの大ブームに沸き立っています。

『寛永三馬術』には、江戸時代初期、三代将軍・徳川家光の頃、馬術の名人と称えられた向井蔵人(むかいくろんど)、筑紫市兵衛(つくしいちべえ)、曲垣平九郎(まがきへいくろう)の三人が登場します。この三人のうち、四国丸亀藩城主、生駒雅楽頭の家来の馬術指南役、曲垣平九郎が「出世の石段」の主人公です。