「脱ハンコ」の動きは歓迎したい。しかし、「脱ハンコはしたが、かえって不便になった」のでは本末転倒だ。
日本では、電子署名の仕組みは整えられているし、マイナンバーカードでさらに進展した。しかし、e-taxを除けば、実際に使えるサービスがほとんどない。本来は、民間の手続きでマイナンバーカードを使えるようにすべきだ。
日本政府は、「脱ハンコ」に舵を切った。これは、菅義偉政権の看板施策だし、河野太郎行政改革相も積極的と言われる。
こうした動きが進展するのは、よいことだ。ただし、いうまでもないことだが、目的はハンコをなくすことそれ自体ではない。また、オンライン化そのものではない。
そうしたことによってさまざまな手続きが簡単になり、われわれの生活が便利になって仕事が効率化することだ。
しかし、実際には、「ハンコをなくして新しい仕組みにしたために、手続きがかえって面倒になる」ということは、大いにありうる。そうなれば、本末転倒だ。