2020.10.12
# 企業・経営

短大卒40代のシングルマザーが、外資系企業に入り「大逆転昇進」したスゴい方法

氷河期世代へのヒントが詰まっている
前川 孝雄 プロフィール

キャリアを切り拓いたシングルマザー

新型コロナウイルス感染症拡大で失業者が増えるなか、優秀な人材採用のチャンスと考える企業も少なからず存在する。例えば、明治安田生命保険が、2020年度の営業職員の数を1000人増やす計画があると報道された。いわゆる生保レディの採用だ。

このニュースを聞いて、どう思われただろうか? 「歩合制の営業は厳しい」「男性は求められていないし」など、ほとんどの人は気おくれして応募しないのではないだろうか。しかし実は、不人気といわれる仕事に鉱脈が眠っていることは少なくない。

私の知人にAさんという2児のシングルマザーがいる。地方の短大を卒業した後、3年ほど事務職の契約社員として働いていわゆる寿退社をした。それ以降は専業主婦として家事・育児に専念していた。

〔PHOTO〕iStock
 

育児が手離れした時、Aさん夫婦は離婚する。彼女は40歳を超えていたが、中学生と高校生の子どもを抱えて、家族の食い扶持と教育費を稼がないといけなくなった。しかし、専業主婦の間は働いてもパート勤務程度で、ほとんど履歴書に書けるようなキャリアがない。ホステスなど接客業の仕事も検討したものの、思春期を迎えた子どもたちのことを考えると踏み出すのは得策とは思えなかった。

世界の先進国のなかでも日本の男女間の賃金格差は大きく、離婚した途端に困窮するシングルマザーは少なくない。母子家庭の貧困率はアメリカ36%、フランス12%、イギリス7%に対して、日本は58%ともいわれるほどである。

しかし、Aさんはこの厳しい現実にも果敢に向き合う。キャリアが乏しい彼女は、人がやりたがらない仕事を探して積極的に応募していく。そして働き始めたのが、医薬品を扱っている外資系グローバル企業の倉庫での在庫管理のアルバイトだ。学歴やキャリアは求められないものの、低温の倉庫での仕事は、冷え性を気にする女性なら嫌がる人が大半だろう。

外資系グローバル企業ゆえに上層部は欧米の超有名大学のMBA取得者がずらりと顔を並べている。一方、現場で医薬品を運ぶのはトラックドライバーたち。超エリートが使う経営の専門用語とベテランのトラックドライバーの日常会話はなかなか噛み合わず、顧客からのクレームやトラブルも絶えなかった。

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