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インフルエンザの予防接種を打つ時代は終わる!

新薬開発と流行予測の精緻化
いよいよインフルエンザの季節が到来。今年は新型コロナの感染拡大もあり、何かと気を病むところですが、そもそも予防接種を受ける意味はどれほどあるのでしょうか? このほど『未来の医療年表 10年後の病気と健康のこと』を上梓した奥真也氏が、インフルエンザの予防と治療の最新事情について、大胆な予測とともにやさしく解説します。

「今年のインフルエンザ予防接種」はするべきか?

10月に入り、インフルエンザ予防接種の出足が早い。

厚生労働省は、65歳以上の高齢者、妊婦さんや基礎疾患のあるハイリスク者、そして小児に機会を譲るように要請しているものの、あくまでも「お願い」にすぎないので、全国のクリニックの中には接種希望者が大挙して訪れているところもあるのが実情です。

これは決して歓迎できることばかりではありません。

今年のインフルエンザ予防接種は受けるべきか、という疑問にまずお答えしてから、予防接種をめぐるあれこれを記したいと思います。

新型コロナとインフルエンザの両方にかかると大変だからせめてインフルエンザワクチンは打ちたい、という理屈はわからなくはない。しかし、これは科学的には全く証明されていることではありません。新型コロナに社会が恐々としているからインフルエンザワクチンを打つ、というのは、何と言おうか、社会病理であると思います。

 

そもそも、出荷数からみても、例年日本人の50%程度しか接種していないので、ワクチン接種するのが当たり前ではありません。

また、今年上半期の南半球ではインフルエンザが全く流行しませんでした。国際的な移動が激減している今年、日本国内でインフルエンザが例年以上に流行する気配はありません。

それらを鑑みて、わたくしの結論は目新しいものではありません。家族や仕事の環境をそれぞれが判断して、なっては困る人は打つことを考えるべし、そうでない人はそれほど必須だと考えなくてよい、ということです。今年だけ状況が特別ということはないのです。

そもそもの話として、(後段に書くように)強力な薬が出現した今でもインフルエンザワクチンは推奨されるのはなぜか、と疑問に持つ方もいらっしゃるかもしれません。

「かかっている場合じゃない」人にとって打つ意味があることは間違いないのです。しかしそれでも、インフルエンザワクチンとは「期待しているほど性能がいいものではない」という事実を皆さんがちゃんと認識すべきだと思います。