つい先日までは上着がいらない過ごしやすい気温でしたが、空気が冷たく、初冬並みの寒さに一転。急激な温度変化による体調不良、体の冷えなどに注意したいところですね。そこで、寒い日に積極的に摂りたい「体を温める食材」を使った一品を、人気料理家ウー・ウェンさんが以前教えてくださったレシピのなかからご紹介します。

郷土食は、その土地で強く生きていくために必要な食材を使った合理的な料理であることが多く、ウーさんが育った中国・北京には、冬の寒さをしのぐための料理がたくさんあります。今回は、「体を温める羊肉の煮込み」のレシピを改めてご紹介します。

寒い季節は「羊肉」で体を温める

ウーさんの故郷である北京の名物料理といえば、「刷羊肉(シュワンヤンロウ)」という羊肉のしゃぶしゃぶ料理や、「羊肉串」。北京で羊肉をよく食べる理由は、中国の文化と北京の環境にあります。「中国は、異なる言語や文化をもつ少数民族がたくさんいる多民族国家。それぞれの宗教でタブーとされる肉がありますが、羊肉は大丈夫ということもあって、よく食べられているんですね」とウーさん。

また、中国の東北地方に位置する北京は、冬は気温がマイナスにもなる寒い場所。体を温め、基礎代謝をアップさせてくれる効果がある羊肉は欠かせない食材なのです。「羊肉は独特の臭いが苦手という人がいるかもしれませんが、臭いのもとは脂。臭いを消すためには、一度ゆでて余計な脂をとるといいですね。また調理には、お酒よりもしょうゆを使うほうが臭い消しになります

羊肉にはタンパク質やミネラル、ビタミンB群が豊富に含まれているので、貧血予防にもなります。寒い季節こそ、羊肉をたくさん食べて元気になろう。

汗をかきながらふうふう食べる
「羊肉の煮込み」

唐辛子と豆豉醤を炒めて風味を出した煮汁を作り、そこに羊肉を入れて火を通すだけの煮込み料理。きのことクレソンを、肉が見えないくらいたっぷり入れ、仕上げに花椒をぴりっと効かせると、箸が止まらないおいしさに。「羊肉にはスパイスがよく合います。花椒がいちばん相性がいいけれど、クミンも合いますよ」とウーさん。

◆材料(2~3人分)
ラム肉(焼き肉用)…400g
きのこ…………………300g
クレソン………………1束
一味唐辛子……………大さじ1
豆豉醬…………………大さじ1
しょうゆ………………大さじ1
酒………………………1/2カップ
水………………………1カップ
油………………………大さじ1
花椒(粉)……………大さじ1/2

◆作り方

【1】深めのフライパンに油と一味唐辛子を入れて火にかけ、香りが出たら豆豉醬を加え、さらに香りが出たらしょうゆを加えて煮立たせる。

【2】 酒、水を加え、煮立ったらラム肉を加え、10分煮る。

【3】きのこを加え、さらに7~8分煮る。

【4】花椒を振り、3cm長さに切ったクレソンをのせて火を強火にし、すぐに火を止める。

【MEMO】
中国では炒められる土鍋が多く、土鍋で作るとさらにおいしい。日本の土鍋は炒められないものが多いので、フライパンで炒めてから、作り方【2】の段階で土鍋に移して煮てもいい。ラム肉はジンギスカン用に販売されている厚めのもののほか、こま切れ肉でもOK。 

【PROFILE】
ウー・ウェン

中国、北京で生まれ育つ。料理上手な母から受け継いだ料理が評判となり、料理研究家に。「料理を通じて日本と中国の懸け橋になりたい」との想いから、東京と北京でクッキングサロンを主宰。少ない材料や調味料、道具で作れる、医食同源の知恵にあふれた料理が人気。http://www.cookingsalon.jp

 
●情報は、FRaU2018年2月号発売時点のものです。一部再編集しています。
Photo:Keiichirou Muraguchi Styling:Misa Nishizaki Composition:Shiori Fujii