不倫女子のリアル』、『貧困女子のリアル』 などの著書もある沢木文さんは、10年以上、既婚者と恋愛中の女性たちの体験や悩みを聞き続けている。前回の記事では、母親への呪縛から自傷行為のような不倫を重ねる女性のお話をご紹介した。

2回目の今回は、女性なら誰もが考える「綺麗になりたい」という想いが行き過ぎてしまった女性が登場する。美容整形と若返りに浪費してしまう彼女の人生に一体何があったのだろうか。

結婚1年後で始まった夫の“妻にだけED”

佐藤美奈子さん(仮名・40歳)は、大手IT関連会社に勤務するキャリア女性だ。年収は600万円近くあるが、貯金はゼロ。借金はないが、クレジットカードの引き落とし額確定日に、ひやひやするという。

彼女がハマったのは、美容整形とダイエット。数年前までは、年相応の外見を受け入れていた。しかし、現在のように若さに固執するようになったのは、38歳のとき。2歳年上の夫のが若い女性と浮気をしていたことがわかったからだという。

「当時は不妊治療が終わったばかりで……。私の夫は“妻にだけED”というタイプだったんです。28歳で結婚して、すぐにレスになりました。29~35歳の6年間は地獄でした。夫は穏やかでいい人なのですが、とにかくセックスが苦手。私自身も性欲が強いわけではないのですが、まるっきりない夫婦関係に不安になり、愛されていないのでは、という思いから、私からお願いすることも、泣くこともありました。そのたびに“疲れているんだ”とか“俺、家族とはできないんだ”とか避けられていたんです」

毎回の否定、嫌がる態度に、女性として全否定された気持ちになったという。少しでも夫との夫婦生活を改善するために、お香を焚いたり、セクシーな下着を購入したり、家でも薄化粧をするなど、“女性らしく”することも工夫をした。しかし、その努力は夫により、粉々に打ち砕かれた。

ネット記事や雑誌の、セックスレスを改善する方法を実践していたら、“ホントにキモい。以前はそんな女じゃなかったよね”と夫に言われました……」

夫に要求するだけでも勇気がいるのに拒否。すべてを否定された気持ちに。photo/Getty Images

美奈子さんの容姿は十人並み。とりわけ美人でも不美人でもない。でも、その気になれば、そんな夫を見限って、浮気をすることもできたのではないか。

「当時の私は不倫に対して不潔感がありました。人間として恥ずかしく、“絶対にやってはいけない”と思っていた。あのとき、不倫する有名人に対してめちゃくちゃ怒っていた。でもそれは、自分が誘われないし、自信もないことの裏返しだったんですよ。嫉妬ですよね」