2020.10.16
# エンタメ

なぜ「吉高由里子」は主演を務め続けられるのか? 「失敗しない」「谷間の星」「番宣」という3つの業界評価

木村 隆志 プロフィール

「成功」できなくても「失敗」しない

吉高は朝ドラ『花子とアン』のあと、舞台出演をこなしただけで約3年間ドラマや映画には出演しなかった。

当時は各メディアから「燃え尽き症候群か」「引退してしまうのでは」などと報じられていたが、2017年の『東京タラレバ娘』で本格復帰を果たしてからは、「ほぼ一年に一作ずつドラマと映画に出演」というマイペースを貫いている。

ただ、吉高のように「年一作ペースでコンスタントに主演やヒロインを務められること」は、現在のドラマ・映画シーンでは貴重。幅広い世代からの知名度と好感度があり、それなりの演技力がなければ主演のオファーは続かない。

吉高はそれらをクリアしている上に、世帯視聴率や興行収入は「成功」と言えなくても「失敗」していないため、「主演やヒロインの資格は十分ある」という見方をされているのだ。

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たとえば、吉高の『花子とアン』以降、朝ドラヒロインを務めた女優の中で同等レベルの出演数をこなしているのは、波瑠、高畑充希、有村架純、戸田恵梨香くらいに留まる。

土屋太鳳、芳根京子、葵わかな、永野芽郁、安藤サクラ、広瀬すずは連ドラ主演が少なく、『花子とアン』以前を見ても、杏、能年玲奈、夏菜、堀北真希、尾野真千子、井上真央、瀧本美織、松下奈緒と、事情はそれぞれ異なるが、吉高ほどコンスタントに主演やヒロインを務めていない。

世帯視聴率20%前後を記録し続けてきた朝ドラのヒロインですら、年一作ペースでコンスタントに主演やヒロインを務めることは難しいのだ。その点、吉高は出続けることで知名度や好感度を保ちつつ、成功はできなくても失敗を回避している。

 

吉高が主演やヒロインを務める作品が失敗しない理由として挙げておきたいのは、相手役を際立たせ、俳優の株を上げるような演技をするようになったこと。実際に、『わたし、定時で帰ります。』では向井理、『知らなくていいコト』は柄本佑が「主演の吉高と同等以上に注目を集め、女性たちが魅了される」という現象が起きていた。

これは「吉高が抑制の効いた演技をすることで、女性視聴者がヒロインを自分に置き換えて見やすくなった」からだろう。朝ドラヒロインを務める以前の吉高は、強烈な個性を強みにするタイプだっただけに、ドラマと映画から遠ざかっていた約3年間が生んだ特筆すべき変化と言える。

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