ネギ1本を1万円で売る驚異の男が、「とにかく日本一」を目指したワケ

なぜネギ1本が1万円で売れるのか?(5)
清水 寅 プロフィール

日本一を目指す意味

そんな農家は存在しなかった。ここで、晴れて日本一を達成したわけです。農業を始めて3年目、新規就農でいえば2年目に当たる2013年です。

ひょっとすると、「日本一? だから何?」と思われた読者もいるかもしれません。その通りなのです。でも、まずは目標を設定して、自分に負荷をかけることで可能になることも多い。苗を先に育てたから、いきなり1町歩が作れたのと同じです。

本気になった人にしか見えない光景があります。高校球児だって「甲子園で優勝したからって、何?」では切り捨てられない経験をしているはず。僕の場合もそうでした。無理して日本一を目指すなかで、新しい栽培法を見つけ、農業界では珍しい売り方を実現し、まだ誰もやっていない新ビジネスを生み出した。

※画像はイメージです。Photo by iStock
 

10町歩以上を栽培している大規模ネギ農家は他にも存在します。だから「新規就農2年目で最大」という限定をつけたわけですが、そうやって細分化してでも日本一を目指す意味はあると思うのです。

ソフトバンクの「つながりやすさNo.1」というCMを見て、涙を流したのは、日本で僕だけだと思います。「同じことを感じているやつが、他にもいるんだ」と思うと、なんともうれしかった。その心意気に泣けた。

営業部隊の数でNTTドコモには勝てなくても、何か日本一になれることがあるはずだ、とソフトバンクは考えたのだと思います。「どこでなら日本一になれるか?」と探した結果が、つながりやすさという細分化だった。

何でもいいから一番になる。一番になれなければ負けだと思えば、負けたときに悔し涙を流すでしょう。それぐらい本気になるからこそ、目の前の仕事に集中して、人生は豊かになっていく。僕はそう考えています。

【なぜネギ1本が1万円で売れるのか?(6)】では、栽培面積にこだわったもう一つの理由について。明日公開です。
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