初代葱師・清水寅氏

ネギ1本を1万円で売る驚異の男が、「とにかく日本一」を目指したワケ

なぜネギ1本が1万円で売れるのか?(5)
「1本1万円のネギが売れている」そう聞くと驚く人も多いのでは?
『ねぎびとカンパニー』社長・清水寅氏は脱サラ後に農業を始めた中途参入組。しかし今では『ねぎびとカンパニー』のネギは1本1万円の価値が付くほどに…。
注目書籍『なぜネギ1本が1万円で売れるのか?』から毎日連載企画!
第5回では、脱サラして「ネギをつくる!」と決めた寅氏が、実際どう動いたのか、ご紹介します。>>今までの連載はこちら!

ダブルのスーツでネギ農家を見学

親戚にネギ農家がいたので、まずは見学に行きました。

でも、前職の気分が抜けきっていません。ダブルのスーツでピカピカの革靴、髪型はオールバックです。そんな格好でいきなり現れ、「ちょっと教えてくれない」とやったものだから、「危ないやつが来た」と思われました。

自分としては、それが正装だったのです。寝るときはパジャマ、運動するときはジャージ、働くときはスーツ。それぞれのシーンに合った格好をしないと、気持ちがついてこない。前の会社でも、部下には口をすっぱくして言っていました。

「パジャマで仕事ができるか? ビシッとした格好してこい! 髪の毛1本、乱すなっ!」

※画像はイメージです。Photo by iStock
 

たまたま天童市には「ネギの神様」と呼ばれる農家がいました。いまは天童市農協の組合長をされている金平芳己さんです。いわば僕の「農業の師匠」で、いまも面倒を見ていただいています。

初めて師匠に教えを乞いにいったときも、最大限の敬意を見せて、ダブルのスーツでした。ネクタイをしないなんて考えられなかった。でも、「疑問点があるなら、いつでも聞きにきていいけど、畑でスーツはやめろ」と言われました。