『ねぎびとカンパニー』のネギ畑

ネギ1本1万円で売る男が“ネギ”を選んだ理由は…「味にこだわりある人がいないから」!?

なぜネギ1本が1万円で売れるのか?(4)
「1本1万円のネギが売れている」そう聞くと驚く人も多いのでは?
『ねぎびとカンパニー』社長・清水寅氏は脱サラ後、農業を始めた中途参入組。しかし今では『ねぎびとカンパニー』のネギは1本1万円の価値が付くほどに…。

注目書籍『なぜネギ1本が1万円で売れるのか?』から毎日連載企画!
前回ではサラリーマン時代、25歳の若さで消費者金融会社の営業トップをとった寅氏。第4回ではその後、脱サラして“ネギ”を選ぶまでにスポットを当てます。>>今までの連載はこちら!

7社の社長を歴任

その後、この消費者金融会社は他社へ売却しますが、会長は他にもさまざまな事業を展開していたので、僕はグループに残って、7社ぐらい子会社の社長をやりました。金融以外にも、ホテル経営、ゴルフ場経営、不動産経営、温泉旅館の経営……。本当にさまざまな業種を経験した。

もちろん会長の指示が良かったのでしょうが、結果だけ言えば、すべての子会社の業績を立て直しました。

印象に残っているのは不動産です。当時、うちの会社は400戸ほどの貸し部屋をもっていたのですが、7割程度しか借り手を見つけられていませんでした。それを僕は99%埋めた。

※画像はイメージです。 Photo by iStock
 

秘訣なんてありません。「練習量がすべて」と信じているから、とにかく足を使った。飛び込み営業です。都内の不動産屋は100軒以上回りました。甲府や前橋の不動産屋だって、いまだに場所を覚えているほど通った。

営業の肝は、相手の事情を知ることです。たとえば、ある大手不動産会社は、社員に目標を達成させるため、そこまでに高いインセンティブをつけていました。ところが、目標達成以降はインセンティブがガクンと下がる。社員としては、目標を達成したら、それ以上は働く気になれないわけです。

そこで「それなら、会社の目標なんか20日間で達成してしまって、残りの10日間でうちの物件を手がけてよ。そのぶんのインセンティブは払うから」と交渉するわけです。向こうにもメリットがある話なので、優秀な社員ほど喜んでくれます。

取引先に営業をかける場合、相手もサラリーマンのことが多い。その場合、どうすれば相手が社内で評価されるか、相手が得するかを考える。

こうした営業のコツを身につけたことは、いまの仕事にずいぶん役立っています。販路開拓の際、スーパーにせよホームセンターにせよ、付き合いがゼロのところから、飛び込みで契約をとりつけるわけですから。