「ノーベル賞より難しい」イグノーベル賞を日本人が14年間受賞し続けるワケ

ハムスターにバイアグラを飲ませてみた

牛糞の重さに対し4倍量の水を加え、よく混合して、200℃で一時間加熱する。すると牛糞1gにつき、約50μg(マイクログラム・1gの100万分の1)のバニリンが抽出できる。山本氏いわく、「今回の受賞は廃棄物の活用法を知ってもらえる良い機会となった」。

しかし、牛糞から抽出したバニリンを使ったアイスクリームを食べたいかどうかは意見が分かれるところかもしれない(言うまでもなく筆者は全力で拒否したい)。なお牛糞だけでなく、ヤギや馬など他の草食動物の糞からもバニリンを抽出できるのだそうだ。

日本人はなぜ受賞し続けるのか?

以上、様々な受賞研究を紹介してきたが、どの研究にも共通している事柄がある。それは他でもなく、傍からは “馬鹿げて”見える研究に対して 、当人たちはものすごく真剣に取り組んでいるという事実である。

逆に言えばこの賞は、狙って獲ることは極めて難しいと言える。わざとユーモラスなテーマを考え、馬鹿げた実験を行っても、選考委員の御眼鏡には適わないだろう。良い意味で「クレイジー」に、あらゆる外聞など忘れて、実直に研究に取り組んだ人間こそが賞に相応しいとされる。イグノーベル賞とは、そのような “ひねくれた賞” なのである。その観点では、本家のノーベル賞よりも受賞の難易度は高いかもしれない

そして日本人が14年連続で、この賞を受賞していることは、ただの偶然ではないと思われる。日本には、紛れもなくその素養があるのだ。

2004年「カラオケを発明し、人々が寛容になる手段を提供した」という業績で受賞した井上大佑氏[Photo by gettyimages]
 

もちろん、日本が他国に比べて裕福であることは、イグノーベル賞の常連国である理由の一つだろう。夢のない話ではあるが、一見 “馬鹿げた” 研究に対しても、ある程度の予算が配分される。そんな経済的な意味での寛容さがなければ、そもそも研究自体が成り立たない。

しかしそれ以上に、日本人の顕著な国民性である「真面目さ」が大きく関わっていることは間違いないだろう。

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