「ノーベル賞より難しい」イグノーベル賞を日本人が14年間受賞し続けるワケ

ハムスターにバイアグラを飲ませてみた

受賞した研究がユニークすぎる

ではここで、筆者が特に心を掴まれた、過去の受賞研究を3つほど紹介しよう。

2007年の航空学賞受賞 「バイアグラを投与されたハムスターの時差ボケが通常より早く治ることを発見した業績」。この受賞研究を聞いた時、たくさんのハテナマークが頭の中に浮かんだ。まず一体どのような経緯で、ハムスターに性的不能治療薬である「バイアグラ」を投与することになったのか? そしてなぜそこから、ハムスターにとって無縁である「時差ボケ」に着目し、バイアグラの薬効を検証したのか? 

体内時計が正確なハムスター[Photo by gettyimages]
 

しかし実際は、バイアグラと体内時計の生化学的な結びつきに気付いたアルゼンチンの研究チームが、体内時計がとても正確なことで知られるハムスターを実験動物として扱ったことに起因するようだ。意外にも至って真面目な研究で、ヒトへの応用も期待されている。

2009年の平和賞受賞「中身の入ったビール瓶と空き瓶、どちらが頭を叩き潰しやすいか、実験により検証した業績」。コンプライアンス的にとても問題のありそうな研究に平和賞が授与されたことが何よりの皮肉だろう。こんな実験の被験者にはどんなに頼まれてもなりたくないが、安心して欲しい。実際は衝撃測定装置を埋め込んだ粘土を人間の頭に見立てて、行われたようである。

こちらも大真面目な動機から始まった研究だ。論文の筆頭著者はスイスの法医学者であり、ビール瓶を使って殴ると致命傷になるかどうか、裁判で意見を求められることが多かったために、このような実験を実施した。ちなみに研究の結論は、「どちらの瓶もとても頭を叩き潰しやすかった」。

最後に紹介するのは、2007年の化学賞「牛糞からバニラの香り成分『バニリン』を抽出した業績」。受賞者は、国立国際医療センター研究所研究員の山本麻由氏だ。日本の若い女性がいくぶん「下品」とも言える本研究で受賞したこともあり、世間では大きく話題になった。

編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/