「ノーベル賞より難しい」イグノーベル賞を日本人が14年間受賞し続けるワケ

ハムスターにバイアグラを飲ませてみた

この原理を踏まえ、ヘリウムガスが満ちた空間にワニを入れたところ、その鳴き声はドナルドダックのように高くなった。つまりワニは、私たちと同じように声帯に類する発声器官を持ち、音を共鳴させて声を出していることが明らかになったのだ。

研究の意義を聞くと、そのような実験を行った理由も腑に落ちる。だが世界各国から頭の良い研究者が集まり、ドナルドダックのように鳴くワニを真剣な眼差しで眺めている場面を想像すると、“滑稽”そのものだろう。これこそがイグノーベル賞の真髄であり、“滑稽” で “馬鹿げた” ことが称賛される世界なのだ。

「真面目に不真面目」な科学の栄典

今でこそ広く認知され始めたが、イグノーベル賞とはそもそもどのような賞なのだろうか?

その名の通り、イグノーベル賞とはノーベル賞のパロディとして創設された、世界中の “馬鹿げた” 研究や偉業を表彰する賞である。実在する人物ならだれでもノミネートされる可能性があり、選考基準は「笑えて、考えさせる業績であること」のみ。

創業者は、ユーモア科学雑誌『風変わりな研究の年報』編集者のマーク・エイブラハムズ氏で、1991年から始まった。賞金は10兆ジンバブエ・ドル(廃止された紙幣のため、現在通貨としての価値はなし)で、副賞は適当に作られたトロフィーと、普通のコピー紙に印刷された賞状(ただし、ノーベル賞受賞者のサインあり)。

イグノーベル賞の創設者マーク・エイブラハムズ氏[Photo by gettyimages]
 

選考はノーベル賞受賞者を含む著名な科学者らに加え、その場に「たまたま通りがかった人」を含めて行われるとの噂もあり、何とも人を食ったような、ふざけた賞だと言える。

しかし、イグノーベル賞はただの “おふざけ” ではない。普段は脚光を浴びにくい「地道な研究」に焦点を当て、科学の面白さを再認識させてくれる機会も提供している。また、我々に「考えるきっかけ」を提供してくれる点でも意義深い。今や、イグノーベル賞は世界中から大いなる注目を集めている。

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