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中国が実は「トランプ大統領再選」を望むこれだけの理由

恐れているのは「中国包囲網」だった

トランプ感染の影響

「憎まれっ子世に憚(はばか)る」と言うが、ついに「世界一の憎まれっ子」ドナルド・トランプ米大統領が、自らも新型コロナウイルスに感染して、ダウンしてしまった。

一報が世界を駆け巡ったのは、日本時間の10月2日午後。11月3日のアメリカ大統領選挙まで1ヵ月となったサプライズニュースだった。

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アメリカと対立するもう一つの大国・中国は、国慶節(建国記念日)の8連休の真っ最中で、浮かれ気分も相まって、SNS上では「活該!」(フオガイ)の大合唱だった。日本語に訳すと「ざまーみろ!」。

ただ、中国当局はこういった「カエルの合唱」のような記事や意見を、ネット上から一斉削除してしまった。代わりに、「習近平がトランプにお見舞いの電報を送った」(10月3日新華社通信)、「ホワイトハウスは大統領の権限移譲を強く否定している」(10月3日環球時報)といった記事を掲載している。まるで、一転して「トランプ応援団」に変わったような雰囲気だ。

これは一体どういうことなのか? ある中国人に聞くと、こう答えた。

「11月の大統領選でトランプ大統領が再選された場合と、バイデン前副大統領が勝利した場合について、さまざまな分析や予測を行った。その結果、トランプ大統領が再選してくれた方が、中国にとっては好都合だという結論になった。

何と言ってもトランプ大統領は、国際関係をカネ勘定で数える商人だし、中国ビジネスで儲けたいと考えている。それにトランプが大統領でいる限り、ホワイトハウスは混乱し、アメリカは分断され、その結果、凋落していくのは自明の理だ。

逆にバイデン大統領が誕生した場合、第二次世界大戦後にアメリカが展開してきたオーソドックスな理念外交を展開するだろう。EUやアジアの同盟国との協調を強め、世界中を巻き込んで中国を包囲してくるだろう。また、民主党は基本的に人権問題に敏感なので、チベット、ウイグル、香港など、人権問題での中国批判を強めるだろう」

実際、アメリカで興味深い現象が起こっている。黒人やヒスパニック系など、非白人グループは、基本的にバイデン支持である。ところが、300万人の中華系グループだけは、トランプ支持なのだ。

 

「単純に考えれば、大統領自身がコロナウイルスにかかってしまったというのは、共和党にとってマイナスで、バイデン民主党の方に有利に働くだろう。だが今後、トランプ大統領が復帰を果たして、『オレはコロナから生還した!』と、自らの感染を選挙利用するかもしれない。それによってトランプ支持が増えることも考えられる。

中国としては引き続き推移を見ていくしかないが、少なくとも『6日の謀議』には、トランプ大統領のコロナ感染は逆風となるだろう」(前出の中国人)