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気をつけろ、自然界も人の社会も放っておけば全体主義を志向する

だから裏切り者=革命家の価値を認めろ

民主主義は生まれたばかりの赤ん坊だ

もちろん、私は民主主義や自由主義を支持し、その対極にあるファシズムや共産主義のような「全体主義」とは鋭く対峙する。

しかしながら、「民主主義」や「自由主義」が人類の歴史上登場したのはそれほど昔のことではないのも事実だ。つまり民主主義や自由主義は、人類史的に考えれば生まれたばかりの赤ん坊と言える。

人類最古の巨大石造遺跡とされるギョベクリ・テペの遺跡群のうち一番古いものは、今から1万2000年ほど前のものだと言われる。また、有名なクフ王のピラミッドが建造されたのは4500年ほど前のことだ。

民主主義のルーツは、ギリシャ・ローマ時代にあるとよく言われるが、当時の「民主主義」は基本的に「選ばれた人々」のものであり、すべての国民を対象にしたものとは言えない。

1789年に始まったフランス革命が民主主義の歴史において重要なものとされるが、私はそれ以上に、1800年頃に始まった「産業革命」が民主主義発展の主役だと考える。

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実際、フランス革命後、1804年に国民の推挙によってナポレオン・ボナパルトが皇帝という独裁者の地位についている。

それに対して、産業革命は、それまで基本的に私有財産を待たずまさに「農奴(奴隷)」という言葉がふさわしい虐げられた農民たちを、「賃金労働者」という経済的に自立した存在に押し上げた。もちろん、彼らは私有財産を持つことができる自由人だ。

サラリーマンを「社畜」などと自嘲的に呼ぶことがあるが、サラリーマンは「主人を選ぶ自由」も「私有財産を持つ自由」も認められており、農奴たちとは全く異なる存在だ。

「経済的自立」こそが、民主主義の基本であり、個々人が自由な社会活動を行うための必須条件である。

だから、奴隷状態であった農民たちに私有財産を持つ機会を与えた産業革命こそが、民主主義の立役者と言える。

逆に、やっと得ることができた私有財産を取り上げ、国民を奴隷状態に戻そうとするのが共産主義と言える。

残念ながら、世の中からファシズムや共産主義のような「全体主義」が消え去る気配はない。なぜ民主主義や自由主義を否定し、不人気なはずのこのような思想が今でも力を持つのか?

 

それは、過去の人類も含めた自然界のシステムのほとんどが「全体主義」であるからだと考えられる。つまり、「全体主義」は、「自然界の生存本能」とも考えられるのである。