“動物を乱暴に殺す”日本は、世界からこんなに遅れていた…!

「豚」から見えてくる「重要な問題」
岡田 千尋 プロフィール

世界から取り残される日本

このような身体拘束が豚の健康を心身ともに破壊することは明白だ。

事実、拘束されていると心拍数が上昇し、筋肉量が低下し、骨が弱くなる。世界はこの拘束飼育を拒絶した。

EUでは2013年から妊娠ストールの使用は禁止(*2)されているし、世界最大であるブラジルの食肉企業も、中国最大の食肉企業も、タイ最大の食肉企業も廃止を明言し、世界中が豚本来の生き方に近づけ、群れで自由に動き回れる飼育に切り替えていっている。

ESG投資のアジェンダの一つにはアニマルウェルフェアが含まれており、アニマルウェルフェアを著しく損なうものの象徴とされる拘束飼育を続ける食肉企業や、その肉を調達し続ける食品企業は投資を得られなくなっていくだろう。

幸いこの拘束飼育をやめたところで、生産性に影響はない。むしろ、母豚たちは健康になり、廃用にされるまでの期間が伸び、子豚の生育率にも良い影響を与えるようになっている。

 

海外からもう随分遅れを取ってしまったが、日本でも改善の兆しがある。

豚のストレスを減らしたいと考え一時的に檻を開けたりする試みをする養豚場があったり、プリマハムは今後豚舎を新設または改築する場合は妊娠ストール飼育をやめると決断してくれた。アニマルウェルフェアは日本の養豚業者にとっても重要なパーツになりつつある。

そんな中にあっても、未だに妊娠ストールの豚舎を作ろうというリスクをもろともしない経営センスの企業もあるのだが……。

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