“動物を乱暴に殺す”日本は、世界からこんなに遅れていた…!

「豚」から見えてくる「重要な問題」
岡田 千尋 プロフィール

国内の養豚場で何が起きているのか

「豚の首を吊ったなど身近な人には知られたくない」――ごく最近まで、ある養豚場で働いていた方の言葉だ。

養豚場では弱って肉用に出荷するまで生きられない豚を農場内で殺処分するが、その養豚場では首吊りという方法を採っていたという。

2020年の今、首吊りのように意識を失うまで時間がかかる方法で豚を殺すという方法は、明らかな動物虐待であり、動物愛護法に違反していると考えられる。

畜産の現場では、動物が苦しみ、そしてそれによって従業員も苦しんでいるのかもしれない。

今、日本の養豚場で何が起きているのだろうか。

 

世界が廃止する「拘束飼育」

日本の養豚場の90%が採用している「ストール飼育」という飼育方法を紹介しよう。この方法は世界中の養豚場が廃止していっている方法である。

妊娠ストール、分娩ストールという豚の拘束檻は、肉用にされる子豚を産むための母豚が入れられている拘束用の檻だ。

母豚たちは、後ろを振り向くことはもちろん、真横に首を動かすこともできない。歩くこともできない。体を横たえれば檻にギチギチにはまりこみ、足は隣の豚の頭に当たる。地面はコンクリートだ。

説明なく人間がこれに入れられたら、数分後には悲鳴を上げはじめるだろう。しかし母豚たちは初めて妊娠した瞬間から、殺されるまでの約2~4年間、ストールに拘束される。

母豚は人工的に受精させられ、妊娠ストールに入れられ、妊娠期間の114日間を過ごす。やることもなく、時々落ちてくる餌を食べるだけ。本来は日中の75%の時間を探索や採食に費やすのに、飼育下では餌の時間は15分程度で終わってしまう。

精神的に追い詰められた豚たちは、異常行動を起こす。目の前の鉄柵をかみ続けたり、口の中に何も入っていないのにもぐもぐと口を動かし続けたり、鬱状態になり反応が鈍くなったりする。

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