「舞台で伝えたいこと」への関心は希薄なんです

古田さん、生瀬さんと組んだ演劇ユニット「ねずみの三銃士」は、2004年に「今一番やりたい芝居を、自分たちの企画で上演したい!」という思いで結成された。演出・河原雅彦さん、脚本・宮藤官九郎さんという布陣で、これまでにPARCO劇場で3本の芝居が上演され、毎回、実際にあった事件をモチーフに、不気味かつブラックな笑いを描いてきた。「獣道一直線!!!」は、この人気シリーズの4作目にあたる。

『獣道一直線』の出演者たち。写真上段左から生瀬さん、池田さん、古田さんの3人に加え、写真下段左から山本美月さん、池谷のぶえさん、宮藤官九郎さんと個性的なメンバーが集う

「僕たちは3人とも飽きっぽいし、それぞれが優しい性格の持ち主ってわけでもないので、“この芝居で特に伝えたいこと”とかね、そういうテーマみたいなものへの関心は希薄なんです(笑)。今回の舞台も、いかにスピード感を保ちながら、お客さんを別世界に連れて行くかってことを考えてやってます。日常生活とは違う感覚を味わってもらえたら、それが気持ち悪さでも、怖さでも、胸糞悪さでも、不気味さでもなんでもいい」

今年の1月15日に、渋谷の新生PARCO劇場で、2020年〜2021年にかけての“オープニング・シリーズ”が華々しく発表され、『獣道一直線!!!』チームとしては、「ねずみの三銃士」の3人と脚本の宮藤官九郎さん、演出の河原雅彦さんが登壇した。

「ただ、3月ぐらいから世間の空気はコロナ一色になってしまって、その時に登壇した他カンパニーの舞台も、途中で上演が中止された芝居や丸々上演できなかった芝居もありました。『獣道〜』も、夏の初めぐらいまでは上演できるかどうか微妙でした。上演が決まって思ったのは、いつも通り、猥雑でふざけた方を広めるつもりでやりたいなってことです。エンタメからは、前向きなメッセージを発信することが求められるような世の中だけど、僕らは敢えてそういう風にはしない。照れ隠しもあるけれど、作家も演出家も出演者も、『いい感じのことを言う』っていうのが苦手な人たちばかりなので(笑)」