日本の「正式」の証、天皇「御名御璽」までデジタル化できるのか?

ハンコ廃止の行きつく先に
島田 裕巳 プロフィール

日本のレガリア

御璽がいかに重要なものであるかは、現在の天皇の即位の礼を通して、改めて認識されるようになったのではないか。

現在の天皇は2019年5月1日に即位したわけだが、その日、「剣璽等承継の儀」と「即位後朝見の儀」が執り行われた、御璽が登場したのは、前者の方である。

剣璽等承継の儀とは、天皇が皇位を継承した証として、剣璽・御璽・国璽を承継する儀式のことである。

剣璽とは、歴代の天皇に伝えられてきた「三種の神器」である宝剣と神璽(玉)のことである。国璽には「大日本國璽」と刻まれており、外交文書や勲記に押印される。勲記とは、受勲者に勲章とともに与えられる詔書のことである。

 

御璽の歴史は、相当に古い。それは、飛鳥時代の701年に制定された大宝律令に規定され、「天皇御璽」と刻印されていたものと考えられる。曖昧なところがあるのは、大宝律令は途中で散逸し、残されていないからである。