映える料理は一つの知恵

和食に限らず、なるべくさまざまな食材を使い、いろいろな味わい、食感のものを組み合わせた食事は、飽きずに楽しむことができる。

肉が中心の弁当でも、トマトとブロッコリーを入れれば野菜も摂れる。栄養についてくわしくなくても、彩りを考えることで自然にバランスをとれる、という知恵でもあるのだ。

地味弁や地味な食事が悪いわけではないが、気がつけば全部の料理が醤油味になっていた、という毎日では単調な食事になりがちだ。酢の物を加えるなどの異なる味のものを入れることで、おいしくて栄養のバランスがいい食事になるよう、台所の担い手は気を配ってきたのである。

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彩りのよい食べものは、食欲をそそる食べものでもある。雑な盛りつけより美しく配置されているほうが、食欲が増すという人は多いだろう。

カラフルなサラダの、色が異なる食材を一つずつ食べていくのも楽しい。お気に入りの器に盛れば、いつもの食事がいつも以上においしそうになることもある。

もちろん、毎日の食事や弁当づくりで、彩りや盛りつけにこだわり過ぎると負担が大きくなる。盛りつけに手間取って、料理が冷めてしまったらもったいない。何事もやり過ぎは禁物だ。

おいしく楽しく食べるため、作る楽しみを増やすための知恵として、歴史があり今も流行る映える料理を考えればよいのではないだろうか。