離婚弁護士の後藤千絵さんが代表を務める兵庫県西宮市の『フェリーチェ法律事務所』には、夫婦関係や家庭内暴力、不倫問題、家族間のトラブルなど相談が日夜耐えないという。
「社会的に弱い立場の人を法律的な面からサポートしたい」という思いから、全力で弁護にあたる後藤さんのもとに、ある日「夫のモラハラで悩んでいる」という相談が舞い込んだ。
「私は幼い時から、取り立てて自慢するところがない平凡な子でした。両親は、そんな私をとても可愛がってくれましたが、『幸恵ちゃんは何にも取り柄がないのだから、他の人の役に立つように人一倍努力しないとダメよ。』と幼い私に言い聞かせました。
なので、私はいつも頑張らないといけない、努力して他の人の役に立たないといけないと思って一生懸命生きてきたのです……」
最初に事務所にご相談に来られたときに、そう言って一之瀬幸恵さん(38歳)は涙を流されました。
幸恵さんの悩みは、結婚生活における夫の異常な言動で、よく聞いてみるといわゆる『モラハラ』に当てはまる可能性が十分にありました。
幸恵さんと夫の和馬さんは、結婚12年目。二人のお子さんに恵まれ、東京都内の分譲マンションに居住しているとのこと。絵に描いたような幸せな生活を送る幸恵さんにいったい何があったのでしょうか。