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「携帯料金が下がれば何でもいい」ワケじゃない…ドコモ完全子会社化に潜むワナ

「政治的圧力」が歪めた市場競争

買収により“値下げの余力”が出てくる

NTTが9月29日、NTTドコモを完全子会社にすると発表した。菅義偉首相の携帯電話料金の引き下げ要請という政治的圧力の中での起死回生の一策だった。だが、政治的圧力は、改めて企業間の健全な競争を大きく歪めることを浮き彫りにした。

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NTTは9月30日からTOB(株式公開買い付け)を行う。現在、NTTはNTTドコモ株66.2%を保有しており、残る一般株主分の33.8%を1株3900円で取得する。

これは、9月28日のNTTドコモ株終値2775円に約4割の上乗せ(プレミアム)となる。買収総額は約4兆2500億円と国内企業に対するTOBとしては過去最大だ。

NTTの澤田純社長は記者会見で、NTTドコモの完全子会社化の狙いについて、グループ一体により次世代通信規格「5G」の分野での覇権争いと、「6G」技術で世界の主導権奪回を目指す点を強調した。

注目の携帯電話料金の値下げについては、「ドコモの完全子会社化により財務基盤が強固になるため“値下げの余力”が出てくる」と前向きな姿勢を示した。