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世界一高い日本のビールの税率、今月からどう変わるのか?

2023年と2026年にも税率改定が
2020年10月1日からビールにかかる酒税の税率改定がスタートしました。今回の変更を皮切りに2023年、2026年にも税率の変更が予定されています。世界一高いといわれる日本の酒税は今回の改定でどのように変わったのか、そしてこれからどのように変わっていくのか? ビールの定義そのものの変遷を含めて詳しく解説していただきました。
(本記事は『カラー版 ビールの科学』を一部抜粋・編集したものです)

実は国ごとに異なるビールの定義

ビールは、世界中で愛飲されている最もポピュラーなアルコール飲料です。しかし、意外にもその定義は、国や地域によって大きく異なります。

2018年4月1日に酒税法が改正されるまで、日本の酒税法におけるビールの定義は、簡単にいえば「麦芽、ホップおよび水を原料として発酵させたもので、麦芽の一部を麦・米・トウモロコシ・コーンスターチ等の政令で定められる物品を副原料として、麦芽の量の半分以下で使うことができる」というものでした。

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したがって、副原料を麦芽の半分を超えて使用した場合や、ベルギービールのようにチェリーやカシスなどの果実、コリアンダーやオレンジピールのようなスパイス、その他ハーブなどのような、政令で定められていない原料を使用した場合には、日本ではビールと称することはできませんでした。

そのようなお酒は従来、酒税法上では「発泡酒」というカテゴリーの酒類に分類されていました。麦芽や麦を使わない新ジャンルは、俗に「第3のビール」とよばれますが、もちろんこれも、ビールとはいえなかったのです。

新ジャンルは発泡酒に統合

ところが、酒税法の改正によって、2018年4月1日から日本のビールの定義が見直されることになりました(「酒税法等の改正のあらまし」平成29年4月税務署、国税庁ホームページ参照)

まず、ビールの麦芽比率(ホップおよび水を除いた原料の重量中に、麦芽が占める割合)の下限が、100分の67から100分の50に引き下げられることになりました。次に、使用する麦芽の重量の100分の5の範囲内で使用できる副原料として、「果実(果実を乾燥させ、若しくは煮詰めたもの又は濃縮させた果汁を含む)又はコリアンダーその他財務省で定める香味料」が追加されました。つまり、これまで発泡酒とよばれていたものの一部が、ビールに分類されるようになったわけです。

表1

新たにビールへの使用が認められた副原料は表1のとおりですが、輸入販売されているベルギービールによく使用されているスパイスやハーブに加え、地ビールの一部で使用されている海産物など、多種多様なものが含まれています。この酒税法改正によって、原料の使用量や種類の選択が広がり、ビールとよぶことができる商品カテゴリーが広がることになります。

ビールの定義見直しに合わせて、発泡酒や新ジャンルなどのビールに類似する酒類についても定義が見直されることになりました。ビールの定義は先行して2018年4月1日に変更されましたが、それから5年半後の2023年10月1日からは、新ジャンルはすべて発泡酒に分類されることになります

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