〔PHOTO〕Gettyimages

東西ドイツ統一から30年…ドイツの「平和ボケ」は日本と同レベルに

国防意識はここまで希薄になっている

EUの平和

10月3日で、東西ドイツが統一してからちょうど30年となる。

東西ドイツの統一が、その後のソ連の崩壊、冷戦の終了、そして、EUの成立に繋がっていったわけで、これは間違いなく現代世界史における大事件だった。30年前、私はすでにドイツに住んでいたので、その時のことを振り返るとやはり感慨深い。

西ドイツ国民にとってのドイツ統一は、自分たちの民主主義の勝利という意味合いもあった。

〔PHOTO〕Gettyimages

ベルリンの壁が落ちたのは、その前年の11月9日。当時、祖国の分断が終わった喜びは大きく、とにかく、その日から大晦日までの7週間余り、ドイツ全土はずっと嬉しい異常事態が続いた。メディアでも、知らない人たちが抱き合って感涙に咽ぶと言った感動シーンが、これでもか、これでもかというほど流された。

ところが、肝心の統一のころ、お祭り気分はすでに冷めていた。東西ドイツの統一は、決して同格のものではなく、西ドイツによる東ドイツの併合であることは誰の目にも明らかだった。

統一により、東の産業、政治、役所、教育、大学など全てを、西が瞬く間に占領した。東の国民は、二等市民にされたような不満を持ち、一方、西では、東の経済破綻の凄まじさに気付いてやはり不満が膨らんだ。実際にこの後、ドイツは長い不況に突入し、東西のドイツ人が反目し合う時期が続いた。

しかし、時は流れ、そんな不協和音もいつしか消え、東西格差がすべて消えたとはいえないまでも、今やドイツはEUの経済大国だ。しかも、そのEU自体も伸張し、この30年、ヨーロッパ全体が統合の方向に進んでいこうとしている。

 

もちろん、すべてが順風満帆に進んだわけではないが、しかし、少なくとも、過去幾度もあったように、ヨーロッパの国々が争い、殺し合うようなことは起きなかった。おそらくこれからも起きないだろう。EUの平和は保たれたのだ。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら