Photo by gettyimages

習近平を本気でぶっ潰せる米大統領はどちらか、テレビ討論で判明した…!

「戦時のリーダー」にふさわしいのは?

浮き彫りになったトランプの下品さ

米大統領選の第1回テレビ討論会が大荒れになった。双方が相手を罵倒し合って、政策論議は深まらなかった。米マスコミは「敗北したのは米国民」(CNN)などと嘆いてみせたが、本当にそうか。私はむしろ、候補者の人物が見事に浮き彫りになった、と思う。

今回の討論会は、現職のドナルド・トランプ大統領と民主党のジョー・バイデン候補による初の直接対決として世界の注目を集めた。蓋を開けてみると、バイデン氏が「あなたは米国史上、最悪の大統領」と罵ったかと思えば、トランプ氏は「あなたは大学をほぼ最下位で卒業した。賢さのかけらもない」と応戦し、中傷合戦に終始した。

テレビ討論会の様子[Photo by gettyimages]
 

この展開は予想外とは言えない。トランプ氏は2016年の大統領選でも、相手の民主党、ヒラリー・クリントン候補の発言中に「なんて嫌な女だ」と罵っていた。大統領就任以降も、トランプ氏の行儀悪さを知らぬ者はいない。

事前の世論調査では、トランプ氏が劣勢だった。挽回するために「攻撃的に出てくるだろう」とは十分、予想されていた。バイデン氏はそれを逆手にとって、トランプ氏を意図的に中傷し、逆上させて「大統領にふさわしくない」印象を視聴者に植え付ける戦術だったかもしれない。結果として、醜悪な展開になった。

そもそも、2人に冷静な政策議論を期待するほうが無理だったのだ。こうした展開を受けて、10月1日付の読売新聞社説は「論戦のレベルの低さは、米国の政治の劣化を如実に示している」(https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200930-OYT1T50326/)と論評した。

それは、その通りではある。ただ、だからといって、米国民が正しく候補者を判断できないか、と言えば、そうではないだろう。米国の有権者も世界の人々も「トランプ大統領という人物」を、あらためて正しく認識したのではないか。

私はCNNで討論会を観戦したが、彼はバイデン氏の発言中、ずっと顔を右に少し傾げて、しかめっ面で相手を睨み続けていた。話の中身はよく伝わらなくても、連発した妨害発言と表情がすべてを物語っている。あの下品さこそが彼の本質なのだ。

私はまったく好きになれないが、トランプ支持者も嫌っているか、と言えば、そうでもなさそうだ。たとえば「トランプ氏は力強かった。いつも言っていることを話していた」(10月1日付朝日新聞)という有権者のコメントもある。

バイデン氏を厳しく「口撃」したトランプ大統領[Photo by gettyimages]
 

つまり、トランプ氏は「いつものトランプ」だった。そう考えれば、討論会で「敗北したのは米国民」でもなんでもない。討論会は米国民に候補者の本質を伝える役割をしっかり果たした、と言える。

ここがテレビというメディアの恐ろしく、かつ素晴らしい点である。理路整然とした発言ではなく、罵倒と中傷の嵐であっても、映像を通じて本人の人格と力量、熱意、嫌らしさなどが、すっかり視聴者に伝わってしまうのだ。むしろ「米国民の敗北」などという論評のほうが、いかにも「上から目線」ではないか。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら
編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/