10月15日 世界手洗いの日

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

今日、10月15日は、国際連合児童基金(United Nations Children's Fund:UNICEF)を中心に、衛生問題に取り組む機関によって「世界手洗いの日」に定められています。

国連は2008年を「国際衛生年」として、衛生に関するさまざまな取り組みを行い、このなかで「世界手洗いの日」(Global Handwashing Day)を制定しました。世界中の多くの人々が不衛生な環境での生活を強いられていることにより、健康を損ない貧困に陥っている現状を鑑みてのものでした。

 

国際衛生年には、安全なトイレや下水処理といった衛生設備の不足のために、下痢性疾患などの病気で多くの人が命を落としていることが訴えられました。そして、石鹸を使っての手洗いによってそれらの病気が予防できると呼びかけられています。

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手洗いが疫病の予防に重要であることは、19世紀半ばにオーストリアで発見されました。当時ウィーンの病院に勤務していた医師ゼンメルヴァイス(Semmelweis Ignác Fülöp、1818-1865)は、産後すぐの母親が病死するケースを多く目にしていました。

彼は、妊婦たちの死因である産褥(さんじょく)熱が、医師たちが解剖時などに触れる病原菌によって起きているという仮説を立て、妊婦への感染を防ぐため、医師たちに手洗いや道具の洗浄を命じました。これにより、死亡率を大きく低下させることに成功したのです。

手を洗うゼンメルヴァイス Photo by Getty Images

しかしゼンメルヴァイスは当時の医学界から非難を浴び、失意のうちに亡くなりました。彼の功績は、イギリスの医師ジョセフ・リスター(Joseph Lister、1827-1912)が外科手術前の消毒を一般に広めてからようやく認められるようになったのです。

〈4月 5日 英の「外科手術の父」J・リスター誕生(1827年)〉

日本では、第二次世界大戦後にGHQによって手洗いの習慣が広められ、1970年代には学校給食前の校内放送で「石けんで手を洗おう」と校内放送が流されたといいます。手洗いの習慣というのは、洋の東西を問わず、長い間をかけてようやく浸透したものであると言えるでしょう。

日本ユニセフ協会は、「世界手洗いの日」プロジェクト特別サイトでこれまでの活動事例を紹介しています。また、手洗いの方法を楽しく学べる紙芝居や、「世界手洗いダンス」の動画も公開されています。