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プーチンには付き合いきれない…菅首相が「日露関係」を重視しない理由

9月29日の電話会談が意味していたもの

安倍政権とともに終わったロシア偏重外交

7年8ヵ月余り続いた最長政権がついに終わった。しかし、続いて成立した菅新政権は、良くも悪くも安倍政権を継承すると明言しており、主要閣僚の顔ぶれもほとんど変わっていない。では、外交面でも安倍路線を継いでいけるのだろうか。

安倍政権は、地球儀を俯瞰する外交、積極的平和主義と銘打って、かなり熱心に外交活動を行ってきた。これは否定できない。特に、27回もの首脳会談を実施したプーチン大統領に対しては特別の思い入れがあっただろう。

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筆者が外交官時代も、国連総会やG20などの国際会議の機会には必ずと言っていいほど日露首脳会談は設定されたし、それ以外にも公式訪問を含む直接の往来を行っている。

毎年9月に極東のウラジオストクで開催されている東方経済フォーラムには、2016年の第2回から2019年の第5回まで連続4回、毎年参加していた。

特に筆者の記憶に残っているのが、2016年12月のプーチン大統領の訪日だ。安倍首相は自らの地元である山口県長門の温泉旅館に招待したのである。ひなびた感じの良い温泉街であり、山口県や長門市を巻き込んでの大事業となった。

プーチン大統領に何かあってはならぬと、日露双方合わせて相当な数の警護官が出動した。安倍官邸は、プーチンに満足してもらうため、ロシア側からの無理筋の要求を含め、あらゆる便宜を図った。そこまでしてプーチン大統領を歓待しようとした安倍首相。その胸のうちには何があったのだろう。