ハロプロが新型コロナに勝てた理由

このツアーが開催に至るまで、運営スタッフには課題が山積みだったことが想像できます。
普段とは180度違う趣の公演にファンが着いて来てくれるか……もしも対策が不充分で感染者を出してしまったら……と。

ところがそれらは取り越し苦労に過ぎず、結果は大成功。
普段なら、バラード曲だけの公演はそれほど評価されなかったかもしれません。しかし、世界中に暗雲が立ち込め、様々な不安が押し寄せる今だからこそ、バラード曲に真摯に向き合ったアイドルたちの穏やかな歌声は、ファンにとって何よりの癒しになったのではないでしょうか。

ハロプロとモーニング娘。のリーダーをつとめる譜久村聖 Photo by アップフロントプロモーション
ハロプロコンサートで熱唱するBEYOOOOONDSの山崎夢羽 Photo by アップフロントプロモーション

もちろん、イベントの成功には、厳しいガイドラインに対するファンの理解と協力が必要です。
ハロー!プロジェクトは今年で結成22周年。長年培われたハロプロとファンの絆や、ハロヲタたちのマナーの良さがあったからこそ、かつてないイレギュラーな事態にも取り乱すことなく柔軟に対応できたのかもしれません。

何より、そのストイックな姿勢で「アスリート集団」とも例えられるハロー!プロジェクトのメンバーたちによる日頃の努力がなければ、今回のツアーは成功できなかったはず。
なんとしても音楽を届けようと諦めなかった事務所の熱意、感染症対策を徹底した運営スタッフによる完璧な対応、紳士的なファンたちによる協力、そしてハロプロメンバーの弛まぬ努力と歌の実力、それらが見事に融合した全国ツアー。
この成果は「ハロー!プロジェクトが新型コロナウイルスに完全勝利した」と言っていいのではないでしょうか。

エンタメを滅ぼさないために僕らができること

様々な規制や自粛が緩和されてきたとはいえ、新型コロナウイルスの感染は今も日本全国で連日報道されています。
ウイルスが根絶されることよりも、ウイルスへの感染対策を日々怠らず、ウイルスと共に生きる「withコロナ」が、今後も我々の生活の基準になっていくことが予想されます。

ともすれば、様々な業界において、ただ休業してしまうのではなく、「コロナ禍でも自分たちに何ができるか」という探究心が求められてきます。
特にエンターテインメント業界では、今回のハロー!プロジェクトによる全国ツアーの成功は、あらゆるミュージシャンや他のアイドルグループにとっても参考にできる好例であったと思うのです。

そして、僕たちファンにできることがあるとするならば、とにかく諦めずに応援し続けること。
グッズを通販で購入する、SNSで推しをシェアする、とにかく楽曲を聴きまくる……それぞれにできることは違えど、どんな小さな応援も、必ずやアーティストやアイドルを支える力になるはずです。
エンターテインメントを滅ぼさずに生き残らせるのは、そんな我々ファンの小さな応援の積み重ねであると、僕は信じてやみません。

こういう形でならエンターテインメントを楽しむことができる。今はそれをアーティスト・制作・そしてファンそれぞれが考えていくことで、新しい魅力を知ることができる時代ともいえるのだ Photo by アップフロントプロモーション