前代未聞、声援禁止のバラードLIVEを開催

ハロー!プロジェクトのコンサートといえば、古き良きアイドルファンの伝統を受け継ぐ曲中の賑やかなコールや、色とりどりのサイリウムで大いに盛り上がることで有名です。

2019年、モーニング娘。’19の台北でのコンサートにて Photo by Unioncom/Visual China Group via Getty Images)

しかし、この夏の全国ツアーとして行われたのは、なんとそんな盛り上がりを一切封印した「バラードしか歌わないコンサート」でした。

Hello! Project 2020 Summer COVERS 〜The Ballad〜』と題して、ハロー!プロジェクトメンバー総勢52名が、『ハナミズキ』『雪の華』『糸』をはじめとする往年のJ-POPバラードを、ひとり1曲ずつソロで披露するという企画が編み出されました。
つんく♂をはじめとするハロプロ作家陣の手掛けたオリジナル楽曲ではなく、J-POPの名曲をハロプロメンバーがカバーして歌うこと自体が異例で、それはまさに前代未聞の試みだったのです。

アンジュルムオフィシャルYouTube/伊勢鈴蘭「三日月」カバー

ツアーの開催が発表されたのは6月で、その頃は国内の緊急事態の解除宣言がなされたものの、まだ多数の感染者が確認されており、油断できない状況でした。
「本当に今LIVEなんてやって大丈夫なの?」と、半信半疑で様子を伺っていたファンは多かったでしょう。僕もその一人です。

ところがそんな心配をよそに、ハロー!プロジェクトは下記のようなガイドラインを設け、あらかじめ来場客に周知することで感染症対策を徹底しました。

•    入場時のマスク着用、非接触型検温器による検温、手指消毒を義務化

•    座席ごとに集合時間を分散、ソーシャルディスタンスをとった整列、チケットは目視確認のみで係員との接触を回避

•    会場でのグッズ販売なし(通信販売のみ)

•    ソーシャルディスタンスをとった座席配置(通常の約半分の座席数)、扉の開放および空調による継続的な換気

•    公演中もマスク着用、着席での鑑賞、サイリウムは胸元までの高さで使用、咳エチケットを義務化、一切の発声を禁止

•    終演後は会場周辺に滞留せず速やかに退場

•    新型コロナウイルス感染が万が一確認された場合に備えた追跡システムの導入

それはまるでオーケストラやオペラを観るかのような雰囲気。とてもアイドルのコンサートとは思えない厳粛さです。
このようなガイドラインに則り、7月11日から9月5日までの2ヵ月間、全国8箇所、追加公演まで開催して全36公演を完遂。
このツアーによる出演者、スタッフ、来場客からの新型コロナウイルス感染は、今のところ一人も発表されていません(9月25日現在)。

このコロナ禍において、決して小規模でないこのツアーを、ハロー!プロジェクトはいかにして成功させられたのでしょうか。