コロナでエンタメ業界も大きな打撃を受けた

WHO(世界保健機関)が新型コロナウイルス感染症による「国際的な緊急事態」を宣言したのは、2020年1月30日のこと。
未曾有のウイルスと人類の戦いが始まってから、あっという間に半年以上が過ぎました。

飲食業や観光業など、我々の生活と密接に関わるあらゆる業界が厳しい状況に追い込まれた中、特に大損害を被っているのは、音楽・演劇・映画などのエンターテインメント業界ではないでしょうか。

例えば、EXILE率いるLDH JAPANは、6月10日の時点で日程を発表していた12月26日までの全168公演の中止を英断。ジャニーズも8月20日、所属グループによる年内のアリーナクラスの大型公演、全127公演を全て中止すると発表しました。
クラシック音楽のオーケストラも損失は凄まじく、新日本フィルハーモニー交響楽団では、3月から5月に開催予定だった1,761公演を中止、937公演が延期になり、損失額は68億円にも上るのだとか。

イベント収入は、エンタメ業界にとって言わば「生活の根源」。興行収入がゼロになるだけでなく、会場のキャンセル料などの損失は計り知れません。
公演の中止は、アーティストや来客の健康を最優先に考えた素晴らしい決断ではあるものの、スタッフやキャストの遣り切れなさや、公演を心待ちにしていたファンの落胆は想像に難くありません。

そんな鬱屈したこの夏のエンタメ業界において、一線を画した活躍を見せたのが、モーニング娘。率いるハロー!プロジェクトです。
ハロー!プロジェクトは、毎年夏の恒例行事となっている全国ホールツアーを、なんと今年も中止や延期することなく決行。全36公演を見事成功させました。

これは一体どういうことなのか。ハロプロは、いかにしてこんな数の公演を決行できたのか……そこに、エンタメ業界がwithコロナを生き抜くためのヒントが隠されているかもしれません。

モーニング娘。’20のメンバー Photo by アップフロントプロモーション

無観客で解散…辛酸をなめたハロプロの春

まず、新型コロナウイルス感染症予防のために多数の業界や団体がダメージを受けたように、ハロー!プロジェクトもまた例に漏れず多額の損失を被っています。

ハロー!プロジェクトには現在、モーニング娘。'20アンジュルムJuice=JuiceつばきファクトリーBEYOOOOONDSという5つのグループが在籍しています。
この春夏の2月から8月にかけて、各グループによる合計100を超える単独LIVE公演が予定されていましたが、1月のWHOによる緊急事態宣言を受け、その全てが中止に。

アンジュルム Photo by アップフロントプロモーション
Juice=Juice Photo by アップフロントプロモーション 

3月でアンジュルムおよびハロー!プロジェクトからの卒業を発表していた人気メンバーの室田瑞希は、惜しまれつつも配信での無観客LIVEをもってグループを卒業。
同じく3月、TOKYO DOME CITY HALLでの単独コンサートをもって解散することとなっていた人気グループ こぶしファクトリーも、苦渋の選択で無観客の解散LIVEを決行し、5年間の活動に終止符を打ちました。

無観客での卒業、無観客でのグループ解散……その勇姿を肉眼に納められなかったファンはもとより、ファンに直接お別れを伝えられなかったメンバーの悔しさはひとしおだったことでしょう。

「コンサートへ行く」「映画を観に行く」「演劇を観に行く」……これまで当たり前にできていたことが、できない。
世界中が耐え忍ぶ中、僕のようなハロプロファンたちも、大好きなアイドルに声援を送れないことで絶望の淵に追い詰められる思いでした……。

そんな瀕死のヲタたちを救済するかのように、夏、ハロー!プロジェクトは大胆な作戦で新型コロナウイルスに挑むこととなりました。