平手友梨奈という「壊れやすい奇跡」に震撼し、涙する…「欅坂ドキュメンタリー映画」の凄み

62歳のコラムニストも感涙した
堀井 憲一郎 プロフィール

同時に喪失感も強く感じる。

映像を見ていると、「平手友梨奈がいたことがあったのが夢のようにしかおもえない」という空気がずっと漂っている。ひょっとしたら、このドキュメント映画は、そのことを訴えるために作られたのかもしれない。

 

そして、だからこそ、平手友梨奈がいなくなってからのこのグループの可能性についても、大きく意識することになる。

菅井友香がいる。小池美波がいる。小林由衣がいる。

守屋茜も、原田葵も、尾関利香に、石森虹香に、もちろん田村保乃や松田里奈もいる。

「てちの束縛」から解放された彼女たちのパフォーマンスは、おそらく別次元の展開をするだろう。圧倒的なスターが抜けたぶん、集団としての結束力と統一されたパフォーマンスは群を抜いたものになるのではないか。

それはそれで、強く期待されるものである。

平手友梨奈は、たぶん、またどこかで見られるはずである。少しのびのびした「てち」をまた見てみたい。

ずっと崖のぎりぎりを歩いていた感じだった、というメンバーの証言が印象的だった。どんな崖だったのかは、この映画を見るとひしひしと伝わってくる。

平手友梨奈と、残ったメンバーと、道は分かれたが、でもそれぞれでしっかり生きていってほしいと、ただ、おもう。