10月 6日 鈴木章さん、根岸英一さんがノーベル賞受賞(2010年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

今年のノーベル化学賞の発表は明日、10月8日に予定されています。この記事では2010年化学賞を受賞した、鈴木章(すずき・あきら、1930-)氏と根岸英一(ねぎし・えいいち、1935-)氏の研究を紹介します(この年の発表は10月5日でした)。

 

ノーベル賞は、毎年10月上旬にその年の受賞者が一日に一分野ずつ発表されることになっています。2010年の「ノーベル賞ウィーク」で列島を沸かせたのが鈴木・根岸の両氏でした。鈴木氏と根岸氏はアメリカのリチャード・ヘックとともに、パラジウムを触媒とした「クロスカップリング反応」を開発しました。

クロスカップリング反応とは、構造の異なる2つの分子を合成する技術のことで、新しい化合物を合成するのに必須となっています。鈴木・根岸ら3氏は別々に研究を進めてクロスカップリング反応の開発に至り、炭素を含む有機物の合成に成功しました。

授賞式に出席する鈴木章氏と根岸英一氏 Photo by Getty Images

クロスカップリング反応のような有機化学は日本の「お家芸」とも言われ、様々な研究者が新技術を生み出してきました。しかし、このような基礎研究を担う大学に国から支給される研究費は年々減少しており、修士号・博士号を取得する学生の数も減り続けています。

2010年代にノーベル賞を受賞した日本国籍の研究者は10人を数えますが、学術研究の成果は数十年かけて結実するものです。研究者の待遇が悪くなり、研究者を目指す若者の数が減り続けていることを考えれば、日本の学術研究の未来には黄信号が灯っていると言わざるを得ません。