橋下徹を擁する「グッとラック!」竹内結子さんの急逝報道で「モーニングショー」と明暗が分かれた

高堀 冬彦 プロフィール

意図が分からない…

『モーニングショー』の理解できない報道はこれにとどまらなかった。近所の人を取材し、こんな声を引き出した。

「2週間ぐらい前、買い物袋を持って歩いているのを見かけました。元気そうな感じでした」

「(2019年暮れに)デパートでご主人といるところを見かけた。お腹が大きかった。凄くきれいでした」

申し訳ないが、やはり意図が分からない。そもそも聞き込みをする必要性を感じない。どんな答えを求めていたのだ。

このような報道は遺族や近親者に複雑な思いを抱かせてしまうだけではないか。まして三浦春馬さん(享年30)、芦名星さん(享年36)と役者の自死が続いているのだから、もっと慎重を期すべきだと思う。

一方、『グッとラック!』の橋下氏は「昔だったら、もっと生々しく報道していました」と過去のマスコミの姿勢を断罪した上で、「自死の場合は影響が大きく、同じようなことが増えることもあり得るので、一切報じるべきではないという意見もありますが、これも違う」と持論を語った。

報道規制が権力に乱用される恐れがあるからだ。権力に不都合な死が隠されかねない。事実、独裁国家ではあることだ。

橋下氏は「大女優の竹内さんをみんなで偲ぶ、冥福を祈るという報道の仕方がベターだと思います」と締めくくった。この日の番組はその通りの構成となった。

やはり初登場の淳は「どうやって伝えるべきか、まだ答えが出ていない」と神妙な面持ちで語った。正直な感想に違いない。さらに「憶測だけが広がっていくのも違うと思う」とも。これが言いたかったことの核心だと思う。

 

憶測を広げないために

WHOの手引きに従い、マスコミの大半は自死の手段も現場の状況も詳報しないようになった。例え遺書があろうが、その内容をつまびらかにするはずがない。そもそも警察もマスコミにそれらを広報しない。死者にも遺族にも守られるべき権利はあるのだから。

すると、揣摩憶測が飛び交いやすくなってしまった。背景にはSNS時代になったこともある。それによって一番傷つくのは遺族と近親者らにほかならない。

名古屋市ホームページ「こころの絆創膏」にはこうある。

【「なぜ、自殺をしなければならなかったの?」(理由探し)→「なぜ?」の答えは、誰にもわからないことです(中略)自死の原因は一つだけということはあり得ず、様々な出来事が複雑に絡み合っているといわれています。自死の原因については、専門家の間でも意見がわかれているのです。つまり、誰にもわかるようなことではないのです】

自戒も込めて記すと、憶測を広げないためには、精確かつ節度ある報道をするほかない。