コロナ禍で多くの飲食店は苦境に立たされていますが、なかでも大きな決断を迫られることになったのが、ブッフェ形式のレストランです。

ブッフェ台に並ぶ複数の料理を、複数の顧客が共通のトングで取り分けるこれまでのスタイルは、感染拡大防止の観点からはなかなか難しく、緊急事態宣言解除後も再開までに時間を要しました。とくに高級ホテルの動きは慎重で、従来のブッフェスタイルから、アラカルトやセットメニューに変えて料理の提供を行っているところも少なくありません。

そんななか、各ホテルは、席数を減らすなど工夫を凝らし、withコロナの時代に対応した、新たなブッフェをスタートさせています。コロナ以前は年間100日ほど海外に出て国内外問わず多くのホテルを見てきたライターの長谷川あやさんが、体験した中でおススメのホテルブッフェを紹介してくれます。

コロナで「ブッフェ」が確実な進化を!

コロナ禍におけるブッフェとはどんなものなのかと、いくつかのホテルに足を運んでみたのですが、それぞれのホテルの個性が、安全・安心対策への工夫にしっかりと表われているのをとても興味深く感じました。これほどまでに違うとは! そして、ブッフェは確実に進化を遂げています。

いくつかリサーチしたなかでも、特に印象に残り、ぜひリピートしたい施設の取り組みと楽しみ方をレポートします。第1回は、“好きなものを好きなだけいただく”という食のスタイルを生み出した、帝国ホテル東京です。

1958年8月、「インペリアルバイキング」開店当初の写真。当時の大卒の初任給が12,800円の時代、ランチ1,200円、ディナー1,600円だったにも関わらず連日行列ができるほどの盛況だったそうです

オートクチュールで作る「フルコース」メニュー

日本で初めて、“好きなものを好きなだけいただく”という食のスタイルを生み出したのは、帝国ホテルです。1958(昭和33)年8月1日、ホテル内に「インペリアルバイキング」が誕生。それから60余年、帝国ホテル 東京では、名前やスタイルを変えながら、ブフェ形式の料理を提供し続けています(あ、帝国ホテルは「ブフェ」表記なので、今回の帝国ホテルの記事は「ブフェ」で統一します)。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、現在のブフェレストラン「インペリアルバイキング サール」は、2020年4月2日(木)から7月31日(金)まで、約4ヵ月もの間、営業を休止していました。

休業期間中は、料理人や商品開発の担当者たちは、「新しい生活様式」に対応した上で“好きなものを好きなだけ味わう”スタイルを継続すべく議論を重ねていたそう。その結果、誕生したのが、ニューノーマルな生活様式に即した、新たな「バイキング」スタイルです。

いったいどんな風に生まれ変わったのかと早速、足を運んでみたところ、これが驚きの連続でした!

まず、タブレットが各テーブルに1台用意されています。注文ができるだけでなく、ブフェに関する豆知識なんてものもあったり、けっこう読み込んでしまいます。

読み込むのも楽しいメニュー 撮影/長谷川あや