息を吐いても大気中の二酸化炭素が増えないのはなぜか?

化石燃料の燃焼とは仕組みが異なる

植物の一生

もしも地球の温暖化が進めば、生物の進化にも大きな影響が出ることが予想される。とくに多くの生物種が絶滅することが危惧されている。その温暖化の原因として有力なのが、大気中の二酸化炭素の増加である。

ところで、考えてみれば、私たちは毎日二酸化炭素を大気中に放出している。日々呼吸をしながら生きている。ということは、毎日何十億人もの人々が、二酸化炭素を大気中に放出していることになる。この二酸化炭素の量は、ある推定では、化石燃料の燃焼による二酸化炭素量の増加の1割近くになるらしい。ということは、私たちは生きているだけで、地球の温暖化を進めているのではないだろうか。

それを検討するために、まずは植物について考えてみよう。どんなに大きな木も、最初は小さな種子だった(ちゃんとした種子ができないソメイヨシノという桜などもあるけれど、例外として無視しよう)。

種子は生長するにつれて、だんだん大きくなっていく。これが昔の人には不思議だった。植物って、水を上げるだけで大きくなるからだ。実際には、地中からもいろいろな栄養分を取り入れるけれど、それらは水に比べたら大した量ではない。植物が、水を上げるだけで大きくなるように思ったとしても無理はないだろう。

でもそれは、目に見えるものだけを考えていたからだ。じつは植物は、目に見えないものをたくさん吸収している。それは大気中の二酸化炭素だ。植物は、おもに水と二酸化炭素から有機物を作るのである。その働きを光合成という。

【写真】成長するのに必要な栄養を光合成から得る植物は、成長に必要な栄養を光合成から得る photo by gettyimages

光合成は複雑な反応だが、意外なことに、さまざまな生物が行っている。植物や藻類はもちろんだが、細菌の中にも光合成をするものがいるし、細菌ではないけれど細菌のように小さいアーキアにも、光合成をするものがいる。これだけ多くの生物が行っているので、光合成にはいろいろな種類がある。でもここでは、地球でもっとも広く行われている植物や藻類の光合成について考えていこう。