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台風接近のウラで…日本人は知らない、災害認識の「ヤバすぎる現実」

人命救助のプロが語る

「災害リテラシー」を高める方法がない

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、わたしたちはいま、環境変化への対応を大きく迫られている。

今年1月の発生後から続く感染拡大への抜本的な対策も、ワクチンの有効性も暫定的な結果しか望めず、いまだ収束する目処はたたない。現段階で最低限できる対策といえば、今のところ、手洗い・うがいの習慣化やマスク着用など、各個人でできることのみだ。

そんなただでさえ気を配らなくてはいけない状況下で、近年、コロナと同様に問題視されていることがある。それが地震や台風、水害などの自然災害だ。

特に今夏は、埼玉県熊谷市と静岡県浜松市で41度まで気温があがるなど、各地で厳しい暑さが記録され、その影響から大型の台風が日本に接近。直撃が予測される地域では、水の確保や屋根にブルーシートを張るなど、各個人での備えにあたっている。

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これに、NPO法人ジャパン・タスク・フォースで活動する駒津吉臣氏は「今の自然災害は、ほんの氷山の一角です」と警笛を鳴らす。

「災害の備えは基本中の基本で、それぞれ各個人でされている方も多いと思います。しかしどれだけハード面を備えていても安心とは言い切れない。

災害が変化し驚異となっていることは言うまでもありませんが、われわれから見てもっと怖いのは、予想もしなかった災害に遭った時に、パニックを起こしたり、自分だけは大丈夫と思い込んでしまうことなんです」

 

駒津氏は、普段は地元の長野県で消防士として働いているが、一方で災害の対応において先進的なアメリカの技術を日本の風土に適した形で取り入れ、過酷で危険な状況で働く消防職員にその技術を伝えたり、一般市民に向けた災害トレーニングを積極的に行っている、いわば「人命救助のプロ」だ。

「気候変動が激しい昨今の日本では、この先さらに災害が多発し、これまでよりも多くの人が被害に遭うリスクが高い。にもかかわらず実践的な災害の対策法を教えてくれる場所が少ない。

災害に対する『リテラシー教育』がいまだ行き届かず、助かる命が助からないケースが増えることを懸念しています」