妊娠初期で子宮頸がん発覚は、稀じゃない

鈴ノ木ユウさんによるマンガ『コウノドリ』13巻・14巻のテーマが、まさに「子宮頸がん」。妊娠19週の妊婦が、子宮頸がんI期IB(※1)と診断される。女性は妊娠を継続したいと願うが、がんの進行は待ってくれない。治療をどこまで遅らせるのか。当事者や家族はもちろん、医療チーム側も、シビアな決断を迫られる――というストーリーだ。

ちなみに、鈴ノ木さんのご厚意で、10月1日から7日までこちらで1週間限定の無料試し読みができることになった。
※1:http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=10

妊娠19週で子宮頸がんが発覚する妊婦が登場する。鴻鳥サクラの出生の秘密なども明かされる核となるストーリーだ。(C)鈴ノ木ユウ/講談社『コウノドリ』13巻より

妊娠初期の検査で子宮頸がんが見つかるケースは、実は稀ではありません。がんが進行し、子どもを諦めざるを得なかった女性。出産時期を早めて、帝王切開と同時に子宮摘出手術を受けた女性もいます。妻は産みたい、夫は妻の命を守りたい。家族それぞれが悩み、つらい思いをします。新生児科の医師にとっても、子宮頸がんは身近な病気。『コウノドリ』の悲劇は、実際に起きていることです」と今西さんは言う。

子宮頸がんの初期には、円錐切除術といって、子宮頸部を切り取る治療法がとられることもある。この方法では子宮は残せるが、流産・早産のリスクが高まる。

「早産で生まれた赤ちゃんは、発達遅延などの後遺症が見られることがあります。また、早産は遺伝すると言われています。子宮頸がんや早産を経験したお母さんたちは、自分の子どもにはHPVワクチンを打たせたいと言う人がほとんどです

逆に、そうした実体験がない方の場合、なかなかHPVワクチンの必要性が伝わらないことも多い。

「乳幼児期の予防接種は小児科が担当しますが、HPVワクチンの接種時期に当たる思春期になると、小児科への足は遠のいてしまうようです。また、がんについて親子で話し合う機会も少ないという現状も、HPVワクチン接種を難しくしている要因かもしれません。さらに、『HPVワクチンって自費で高額なのでしょう?』という声もよく聞こえてきます。やはり正確な情報を、もっと広く届ける必要があると実感しています」