コーヒー好きなら知っておきたい8段階の「焙煎度」の違い

簡単な家庭焙煎に挑戦してみよう!
旦部 幸博 プロフィール

「煎り込み」~「煎り止め」

ここから本格的な「煎り込み」に入ります。手網を炎から10〜15cmまで近づけ、素早く振りつづけて下さい。香ばしい匂いがどんどん強くなるとともに豆が膨らんで表面の皺が伸びはじめ、12〜14分くらいでしょうか。「パチッ」とコーヒー豆がハゼる音が始まります。

一ハゼ」と呼ばれる現象です。一ハゼが始まると豆の変化が急に速くなるため、手網を少し上げて火力を落としてやるとタイミングがつかみやすく、またムラなくき
れいに煎り上がりやすくなります。

最初は散発的に、やがて「パチパチ……」と複数の豆が一ハゼを起こした後、いったん収束していきます。この時点で焙煎を止めれば「浅煎り」になります。

さらに手網を振りつづけると煙の色が少し青白く変化し、香りもやや煙っぽくなってきます。そしてほどなく、今度は「ピチピチピチ……」という、さっきより高くて小さな音が聞こえてきます。これが「二ハゼ」です。この二ハゼ開始の少し手前が「中煎​り」、全体が二ハゼを起こしている最中が「中深煎り」です。

さらに手網を振りつづけると二ハゼも収束して表面に油が滲んできます。ここまでくれば「深煎り」です。

焙煎中の豆の構造の変化(詳しい説明は『コーヒーの科学』をご覧ください)

浅煎りから深煎りまでの、自分好みの焙煎度になったところで「煎り止め」を行います。手網を火から外し、うちわなどで激しく扇いで急速に冷やしましょう。

そのまま放置していると、表面からでは判らなくても豆の中心部は熱いまま、余熱で焙煎が進行しつづけて焦げてしまうことがあります(芯焦げ)。これで「自家焙煎コーヒー」の完成です。

場合によっては20分近く手網を振りつづけることになるので、結構腕が疲れる作業です。しかし、上手にやればプロ並みのものができますし、失敗したなら失敗したで「手作り感」を味わうのも楽しいものです。

 

また自分の目の前で焙煎が進んでいく様子を観察するとコーヒーへの理解が一気に深まりますし、普通ではお目にかかれない「(文字通りの)煎りたて」を飲んでみたい人には絶好の機会になるでしょう。もし興味を持った方は、ぜひ一度挑戦してみてください。

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『コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか』