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コーヒー好きなら知っておきたい8段階の「焙煎度」の違い

簡単な家庭焙煎に挑戦してみよう!
本日、10月1日は「コーヒーの日」です。そこで今日は、累計5万部を超えるベストセラー『コーヒーの科学』から、コーヒーの味を決める大切な工程「焙煎」についての解説を抜粋してお届けします。

「焙煎度」の基本的な分類から、自分好みのコーヒーの見つけ方、そして家庭でできる焙煎の方法もご紹介します。
 

基本となる8段階の焙煎度

現在、日本のコーヒーに関する書籍を見ると「コーヒーの焙煎度はライト・シナモン・ミディアム・ハイ・シティ・フルシティ・フレンチ・イタリアンの8段階」と書かれた本が大半です。

この8段階の分類は1920〜1930年代に、北米のコーヒー取引商の間で用いられていた慣用的な名称を集めたもので、特別はっきりとした線引きの基準があったわけではないようです。

(出典:『コーヒーの科学』)

一般に焙煎度は、国や地域ごとに好みに一定の傾向が見られるのですが、その当時、世界でもっとも浅煎りだったのはイギリスのライトローストで、一ハゼ直前で煎り止めたもの。(具体的な焙煎状態の目安や「一ハゼ」「二ハゼ」については、記事後半の「家庭焙煎に挑戦」で解説しています)

一方、フランス(フレンチロースト)は表面に油が滲み出るくらい、イタリア(イタリアンロースト)は炭っぽくなるほどの深煎りだったとされています。

この頃、ドイツはフランスと同程度、北欧はイタリアよりも深煎り。アメリカは地域差が大きく、ボストンや西海岸ではシナモンやライト、東部はやや深めでハイ〜フルシティ、南部がもっとも深くてフレンチ以上でした。

ちなみにシティローストの「シティ」とは、これがもっとも好まれたニューヨーク(ニューヨーク・シティ)のことです。一ハゼの終わったくらいのミディアムローストが、アメリカ全体では文字通り「中間」くらいの焙煎度で、これが今でも伝統的な「アメリカンロースト」として扱われています。

一方日本では、戦後にはライトやシナモンローストも見られたものの現在ではあまり見かけなくなり、アメリカン(ミディアム)くらいを「浅煎り」と呼ぶ店が多いようです。

ただし同じ日本の中でも、例えば深煎り志向の店では「浅煎り」と呼びながらもほとんどフルシティに近いところもあります。じつは地域や店ごとにまちまちで「浅〜深煎り」という呼び方には特に決まった「物差し」があるわけではありません。

さすがにそれでは不都合が多いということで、焙煎豆の色を測定して標準化しようという取り組みがアメリカなどで進められています。

また、細かいことを言うと香味が変化するタイミングは、豆の状態などによって、色の変化と微妙にずれるため、プロが焙煎する現場では色だけでなく、豆の膨らみ方や表面の皺の伸び、立ち上る匂いの変化、ハゼ音など、五感をフル活用しながら進行具合を見極めて判断するようです。