左からニューヨーク、ジャルジャル、空気階段(C)TBS

コロナ禍のキングオブコントで「ジャルジャル、ニューヨーク、空気階段」が見せた凄み

冗長なものが切り詰められていく世界で

コントの日本一を決める大会『キングオブコント2020』(TBS系)が9月26日に放送された。2008年に第1回が開催され、今年で13回目を迎えた同大会。歴代の優勝者には、東京03、ロバート、バイきんぐ、かまいたち、ハナコなど、現在もテレビで活躍する芸人たちの名前が並ぶ。昨年は下ネタを絶唱するどぶろっくがチャンピオンに輝くという、少し意外な展開となった。

今回、決勝に駒を進めたのは、滝音、GAG、ロングコートダディ、空気階段、ジャルジャル、ザ・ギース、うるとらブギーズ、ニッポンの社長、ニューヨーク、ジャングルポケットの10組。彼らはどんな戦いを見せたのか。見どころはたくさんあったが、ここでは優勝したジャルジャルに加え、ファイナルステージに進出したニューヨークと空気階段について、そのネタと経歴を振り返ってみたい。

(C)TBS
 

ジャルジャル「反復の反復」

ファイナルステージに進出した3組の芸人の中で、世間に最も名前が知られているのはおそらくジャルジャルだろう。福徳秀介と後藤淳平という高校のラグビー部で出会った2人は、2003年にコンビを結成。『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)のレギュラーを務めるなど、メジャーな番組でも活躍してきた。

また、2018年に芸歴15年の出場制限を迎えるまで、M-1の第2回から毎年エントリーし決勝には4度進出。キングオブコントには初回から出場し、過去4回決勝に進出してきた。しかし、いずれの大会でも惜しいところまでは進むものの優勝には手が届かなかった。ある程度の知名度がある芸人の中では、誰よりも賞レースで負ける姿を晒してきたのが彼らだったかもしれない。

そんなジャルジャルは、これまでバラエティ番組などで自分たちの“人間味”のなさを自虐的に語ってきた。身体的な特徴があるわけではない。異色の経歴を持つわけでもない。中肉中背、平々凡々に見えてしまう彼らは、そのぶん面白いネタを作ることに力を注いできた。だからこそ、そのネタが評価される賞レースに毎回挑んできた。

彼らのネタは“反復”を特徴とする。2人が最初にキングオブコントの決勝に進出したのは2009年。そのときの1本目のネタは、同じ音で終わるしりとりをひたすら続けるものだった。そこから11年、ファーストステージで彼らは、新人歌手にひたすら野次を飛ばす事務所社長のコントを披露。ファイナルステージでは、音を出さないよう泥棒に入るもタンバリンを鳴らし続ける後輩と、それを制止しようとする先輩のやり取りを繰り返した。今回もまた、彼らは反復の先に独特の笑いを生み出す。そしてようやく、チャンピオンの座についた。